Reinhard Becker Sarah Marsh
[ベルリン 15日 ロイター] - ドイツの自動車生産が中国からの脅威にさらされている。ドイツ経済研究所(IW)によると、今年上半期の中国からドイツへの自動車・自動車部品輸出は75%増加。ドイツから中国への自動車・自動車部品輸出は21%減少した。
今年は複数の中国ブランドがドイツ市場に参入。中国ブランドは市場シェア1.5%に過ぎないが、計8社となった。
独BMWの電気自動車(EV)「iX3」など、中国で製造された非中国ブランドの自動車の輸入も、中国からの輸入増加の一因となった。
上半期のドイツの対中輸出は全体では8%以上減少。減少分の4分の3を自動車・自動車部品が占めた。
IWは「高級車の海外輸出という、かつてドイツの自動車生産を支えていたビジネスモデルが一段と圧迫されつつある」と指摘。「ドイツのメーカーは長年にわたって中国への生産移転を進めてきたが、最近では以前抵抗があった高級品の分野でも生産移転が増えている」と述べた。
IWの報告書のタイトルは「デリスキング(リスク回避)は始まっているか」。上半期のドイツの中国からの輸入は17%減少。内訳を見ると、脱中国依存の初期の兆候が見られるが、IWはデリスキングについて明確な結論を下すのは時期尚早で、さらにデータが必要と指摘している。