[日本インタビュ新聞社] - ■バリュー株出直りのチャンス到来か!
今週の当コラムは、バリュー株出直りの一角としてこのWTI価格上昇と円安・ドル高とでダブルのメリットを享受するセクター株に注目することにした。鉱業株を中心とする石油株と、次いでインバウンド需要の拡大と「爆買い」に変わる節約志向をダブル享受するリユース関連株である。WTI価格と為替相場とを横目でウオッチする並行投資でバリュー株救済の先兵役を期待したい。
■原油価格感応度、為替感応度の相乗効果ですでに業績を上方修正
鉱業株の代表のINPEXは、すでに今12月期業績を四半期決算発表時の今年5月、8月と2回上方修正し、前期の過去最高業績からの減益転換率を縮小させている。基準油種(ブレント原油)と想定為替レートを見直したことに伴うもので、8月の2回目の上方修正時の通期想定価格はブレント原油が1バレル=80ドル、為替レートが1ドル=135円となっている。足元のブレント原油は、93ドル台で推移ており、この原油価格感応度は、1バレル=1ドル変動すると純利益が60億円、為替感応度の1ドル=1円すると32億5000万円変動することから業績の再々上方修正が有力となる。同じ鉱業株の石油資源開発<1662>(東証プライム)、国産天然ガスのK&Oエナジーグループ<1663>(東証プライム)のほか、石油株の富士興産<5009>(東証スタンダード)、ビーピー・カストロール<5015>(東証スタンダード)、出光興産<5019>(東証プライム)、ENEOSホールディングス<5020>(東証プライム)、コスモエネルギーホールディングス<5021>(東証プライム)の追随高が想定される。
また資源関連株の一角として大手商社株の再出番も想定され、エネルギー比率の低い伊藤忠商事<8001>(東証プライム)を除いた双日<2768>(東証プライム)、丸紅<8002>(東証プライム)、豊田通商<8015>(東証プライム)、三井物産<8031>(東証プライム)、住友商事<8053>(東証プライム)、三菱商事<8058>(東証プライム)などが要マークとなる。
■「爆買い」一変の節約志向でインバウンド販売、免税売上高とも好調推移
リユース関連株は、中古車買取・販売業界のトップのビッグモーター(東京都港区)の保険金不正請求事件で割りを食ったが、ことブランド品、貴金属、時計、フアッションなどは円安による相対的な価格優位性から関連各社の月次売り上げは連続プラスとなり、免税売上高も好調に推移している。このためトレジャー・ファクトリー<3093>(東証プライム)、コメ兵ホールディングス<2780>(東証スタンダード)が、それぞれ今年7月、8月の今期第1四半期決算開示に今期業績を上方修正し、その他の関連株の第1四半期業績も増益率を伸ばし、高利益進捗率を示した。
上方修正の2社のほか関連株をコード番号順に上げると次の通りとなる。ハードオフコーポレーション<2674>(東証プライム)、ゲオホールディングス<2681>(東証プライム)、シュッピン<3179>(東証プライム)、買取王国<3181>(東証スタンダード)、BuySell Technologies<7685>(東証グロース)、ブックオフグループホールディングス<9278>(東証プライム)、ワットマン<9927>(東証スタンダード)、バリュエンスホールディングス<9270>(東証グロース)と続く。このうちトレジャー・ファクトリー、買取王国の株価は、今年2月末割り当てで実施した株式分割権利落ち後の高値水準にある。またネット系のリユース関連株として日経平均株価の構成銘柄に新規採用されたメルカリ<4385>(東証プライム)やマーケットエンタープライズ<3135>(東証プライム)も外せない。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)