Melanie Burton
[メルボルン 5日 ロイター] - 豪資源大手BHPグループの幹部は5日、成長のために経費削減に重点を置く方針を示すとともに、投資案件が適切な価格で成立するまで10年以上待つ用意があるとの考えを明らかにした。
最高開発責任者(CDO)のヨハン・ファンヤースフェルト氏はメルボルンで、株主のために価値を創造する場合にのみディールを追求すると語った。その上で鉱業のような好不況の激しい業界では、適切な投資機会を辛抱強く待つことを意味すると説明した。
「適切な価格で適切な機会を得るには10年かそれ以上待たなければならないこともある」と述べた。
その上で、BHPはそれまで鉱山の生産性を上げることに集中すると指摘。コストベースを10%削減できれば200億ドル節約できると指摘し、「誰かが最後にM&A(合併・買収)で200億ドルを生み出したのはいつのことか」と語った。
資源業界では今後数年間はリチウムで大きな収益を得られるだろうが、長期的な利益率が十分でないためBHPは投資していないと述べた。
また、買収の阻害要因として、後の資産売却を挙げた。
買収に乗り出すには、価格、管轄のしやすさ、付加価値を生む機会などを考慮する必要がある。その上で、どの資産を売却しなければならないかを考える必要が生じる。
同氏は「M&Aでは30%のプレミアムを支払うことになり、これが障害となる。素晴らしい取引が成立したとしても、買ったばかりの資産の30%を売却しなければならず、シナジー価値の全てを失ってしまう」と述べた。