[13日 ロイター] - 米マイクロソフトは13日、ゲーム大手アクティビジョン・ブリザードの買収を完了した。英国の競争・市場庁(CMA)が同日、買収を認可したことを受けた。買収金額はゲーム業界史上最大となる690億ドル。
今回の買収完了はマイクロソフトにとって大きな勝利と言える。アクティビジョンは「キャンディクラッシュサーガ」や「コールオブデューティー・モバイル」などの人気ゲームを手掛けており、マイクロソフトはこの買収を足掛かりに業界トップのソニーを追撃する。
ウェドブッシュ証券のアナリスト、マイケル・パクター氏は、「マイクロソフトは即座に30億ドル以上のモバイル収益を手にすることになる。マイクロソフトはサブスクリプションを通じたゲーム配信を目指しており、提供すべきコンテンツをより多く必要としている。これはコンテンツ拡充に向けた大きな一歩だ」と評した。
マイクロソフトは2022年初めにアクティビジョンを買収すると発表していた。
しかしCMAは4月、過度な市場支配に対する懸念を理由にマイクロソフトによるアクティビジョン買収を阻止。これを受け、アクティビジョンは8月、ストリーミング権をフランスのゲーム開発会社ユービーアイソフトに売却することに同意していた。
CMAはユービーアイソフトとの合意の一部が履行されない懸念が残るとしていたが、マイクロソフトはこの点についても改善策を示し、競争上の懸念が緩和したという。
CMAは「今回の新たな合意により、マイクロソフトは拡大するクラウドゲーミング市場で競争を抑圧できなくなり、英国のクラウドゲーミング市場の顧客のために競争力のある価格とサービスを維持できる」と表明した。
マイクロソフトは「今回の買収がプレーヤーと世界のゲーム産業にとってプラスになると確信している」と述べた。