[北京/上海 7日 ロイター] - 関係筋によると、中国のインターネット検索大手、百度(バイドゥ)は今年、人工知能(AI)用半導体を同国の華為技術(ファーウェイ)に発注した。
米政府の対中輸出規制を受けて、中国企業が調達先を米半導体大手エヌビディアからファーウェイに切り替える兆候があるという。
バイドゥは中国のAI大手で、大規模言語モデル(LLM)「文心」を運営。今年8月にファーウェイのAI用半導体「アセンド910B」を1600個発注した。
その後、米政府は10月、広く予想されていた通りに半導体の対中輸出規制を強化。エヌビディアの製品も輸出規制の対象になった。
ファーウェイは10月までに受注全体の60%強に相当する約1000個の半導体をバイドゥに納品。契約総額は約4億5000万元(6183万ドル)で、年内に納品を完了する予定という。
契約額は中国の大手ハイテク企業のこれまでのエヌビディアへの発注額に比べると少額だが、一部の企業が調達先をエヌビディアから切り替える可能性があるという。
バイドゥのほか、テンセントやアリババなど中国の大手ハイテク企業は以前からエヌビディアの製品を調達していることで知られている。
ファーフェイのアセンド910Bは性能面でエヌビディア製品にはるかに劣るが、中国国内で調達できるAI用半導体としては最も洗練されているという。
関係筋によると、バイドゥは将来エヌビディアの製品を調達できない事態に備えてアセンド910Bを発注していた。