[9日 ロイター] - 米国株式市場はS&P総合500種とナスダック総合が反落。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が政策金利が十分に制約的であるとはまだ確信していないと発言したことや、30年国債入札の低調な結果を受けて国債利回りが上昇、株式相場の重しとなった。
パウエル議長は、FRB当局者がインフレとの戦いを終わらせるのに金利が十分高い水準に達しているとは確信していないと語り、財、サービス、労働力の供給改善に伴う物価上昇圧力の緩和が限界が近づいている可能性を指摘した。
スパルタン・キャピタル・セキュリティーズのチーフ市場エコノミスト、ピーター・カルディロ氏は、パウエル氏が「再びタカ派的見解を示した」と述べ、「インフレとの戦いに勝利はしておらず、経済状況が許せば追加利上げをためらわないことを再確認した」とした。
「パウエル氏の発言を総合すれば、市場に過度の楽観に陥らないよう警告しており、これが株価をやや圧迫した」と分析した。
30年国債入札は応札倍率が2.24倍となり、不調な結果と受け止められて国債利回りが上昇。これを嫌気し、株式相場はパウエル氏の発言が伝わる前から軟化していた。
S&P総合500種は前日まで8日続伸、ナスダック総合は9日続伸と、どちらも2年ぶりの記録となっていたが、連騰がストップした。
市場ではパウエル議長の発言後も、FRBが年内は政策金利を据え置くとの見方が大勢となっているが、CMEのフェドウオッチによると、利下げ開始時期の予想は後ずれした。
複数のFRB当局者は今週、タカ派的トーンを打ち出して市場の利下げ転換期待をけん制していた。
個別銘柄ではメディア・娯楽大手ウォルト・ディズニーが6.9%の大幅高。四半期利益が市場予想を上回ったほか、ストライキを実施していたハリウッドの俳優組合がスタジオ側と暫定合意に達したことを好感した。
S&Pの主要11セクター全てが下落。ヘルスケアと一般消費財が下げを主導した。
英半導体設計大手アームが5.2%下落。第3・四半期(10─12月)の売上高見通しが市場予想を下回った。
ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を2.7対1の比率で上回った。ナスダックでも2.8対1で値下がり銘柄が多かった。
米取引所の合算出来高は113億6000万株。直近20営業日の平均は109億7000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 33891.94 -220.33 -0.65 34163.71 34167.54 33859.77
前営業日終値 34112.27
ナスダック総合 13521.45 -128.97 -0.94 13693.70 13697.82 13506.02
前営業日終値 13650.41
S&P総合500種 4347.35 -35.43 -0.81 4391.41 4393.40 4343.94
前営業日終値 4382.78
ダウ輸送株20種 14266.24 -149.54 -1.04
ダウ公共株15種 835.20 -6.63 -0.79
フィラデルフィア半導体 3452.34 -20.34 -0.59
VIX指数 15.29 +0.84 +5.81
S&P一般消費財 1259.72 -23.32 -1.82
S&P素材 481.23 -4.11 -0.85
S&P工業 854.76 -2.10 -0.24
S&P主要消費財 723.45 -2.92 -0.40
S&P金融 556.59 -2.29 -0.41
S&P不動産 213.09 -3.26 -1.51
S&Pエネルギー 631.14 -1.73 -0.27
S&Pヘルスケア 1461.25 -31.35 -2.10
S&P通信サービス 228.08 -0.69 -0.30
S&P情報技術 3113.00 -12.63 -0.40
S&P公益事業 304.11 -4.27 -1.38
NYSE出来高 9.60億株
シカゴ日経先物12月限 ドル建て 32535 - 65 大阪比
シカゴ日経先物12月限 円建て 32515 - 85 大阪比