Stephen Culp
[ニューヨーク 28日 ロイター] - 米国株式市場は狭いレンジで推移した後、わずかに上昇して取引を終えた。相反する内容となった米連邦準備理事会(FRB)当局者の発言を投資家が精査する中、堅調な消費者データが幾分の支援となった。
主要3指数はいずれも取引が進むにつれて勢いを失った。
ウェルススパイア・アドバイザーズのオリバー・パーシェ上級副社長は「マラソンランナーでさえ、一息ついたり水を飲んだりするが、レースが終わったわけではない。11月は非常に好調で、投資家は年末に向けて楽観的になる十分な理由がある」と語った。
市場参加者は現在、来月の連邦公開市場委員会(FOMC)を前に政策当局者の発言を注視している。
ウォラーFRB理事は28日、現在の金利水準が十分に制限的であると「ますます確信している」と述べ、インフレ率が低下し続ければ、数カ月先に政策金利を引き下げる可能性を示唆した。
一方、ボウマン理事は同日、インフレ率を妥当な期間内に2%の目標まで引き下げるためには、FRBは借入コストをさらに引き上げる必要がありそうだと言及した。
パーシェ氏は「(FRBの)メッセージが矛盾するのはごく普通のことで、(引き締めを)やめる時だと一部の当局者が他のメンバーよりも強く感じることから政策サイクルの終わりに近づくたびに起こる」と指摘した。
CMEフェドウオッチによると、金融市場は来月のFOMCで金利が据え置かれる確率を98.9%織り込んでいる。
コンファレンス・ボード(CB)が28日発表した11月の米消費者信頼感指数は102.0と10月改定値の99.1から4カ月ぶりに上昇。ロイターがまとめたエコノミスト予想(101.0)を上回った。
S&P総合500種の主要11セクターでは8セクターが上昇。一般消費財の上昇率が最大だった。下落率トップはヘルスケア。
航空機大手ボーイングは1.4%上昇。RBCキャピタル・マーケッツが投資判断を「セクターパフォーム」から「アウトパフォーム」に引き上げた。
米市場に上場する中国ネット通販の拼多多(ピンドゥオドゥオ)は決算が市場予想を上回り、株価が18.1%急伸した。
後払い決済サービス(BNPL)大手のアファーム・ホールディングスは11.5%高。サイバーマンデーの好調を背景に前日も大きく上げていた。
半導体大手マイクロン・テクノロジーは1.8%安。第1・四半期(9─11月)の営業費用が従来予想を上回るという見通しを示した。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.24対1の比率で上回った。ナスダックでは1.07対1で値下がり銘柄が多かった。
米取引所の合算出来高は100億3000万株。直近20営業日の平均は104億1000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 35416.98 +83.51 +0.24 35332.13 35518.67 35307.73
前営業日終値 35333.47
ナスダック総合 14281.76 +40.73 +0.29 14224.63 14303.66 14195.72
前営業日終値 14241.02
S&P総合500種 4554.89 +4.46 +0.10 4545.55 4568.14 4540.51
前営業日終値 4550.43
ダウ輸送株20種 14816.24 -87.74 -0.59
ダウ公共株15種 867.83 +2.32 +0.27
フィラデルフィア半導体 3718.35 -20.96 -0.56
VIX指数 12.69 0.00 0.00
S&P一般消費財 1343.90 +7.19 +0.54
S&P素材 510.33 +1.00 +0.20
S&P工業 890.49 -2.16 -0.24
S&P主要消費財 744.14 +2.98 +0.40
S&P金融 584.95 -0.60 -0.10
S&P不動産 229.43 +1.18 +0.52
S&Pエネルギー 642.89 +0.37 +0.06
S&Pヘルスケア 1507.92 -7.63 -0.50
S&P通信サービス 239.86 +0.78 +0.32
S&P情報技術 3275.35 +6.25 +0.19
S&P公益事業 317.79 +0.99 +0.31
NYSE出来高 8.74億株
シカゴ日経先物12月限 ドル建て 33295 - 85 大阪比
シカゴ日経先物12月限 円建て 33290 - 90 大阪比