Stephen Culp
[ニューヨーク 29日 ロイター] - 米国株式市場はS&P総合500種とナスダック総合が小幅下落して取引を終えた。第3・四半期の実質国内総生産(GDP)改定値が速報値から上方改定され、リセッション(景気後退)懸念が和らいだものの、米連邦準備理事会(FRB)当局者の発言を受け、制約的な政策がどの程度続くかを巡る疑念が生じた。
ダウ工業株30種はほぼ横ばい。インフレ関連の重要指標である個人消費支出(PCE)発表を30日に控え、様子見ムードが広がった。
主要3指数はここ数日、小幅な値動きにとどまっているが、11月に好調なパフォーマンスとなっており、S&P500は月間では依然として昨年7月以来の大幅な上昇率を記録する見通し。
インガルス・アンド・スナイダーの上級ポートフォリオストラテジスト、ティム・グリスキー氏は「市場は大きなリターンを得たため、利益確定やポジション調整が見られ、若干の値固めとなっている。企業業績が非常に好調で、楽観的な見方が多い」と語った。
リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は29日、インフレ率が2%に向けて順調に低下しているとの見方に疑念を持っているとし、物価上昇が再燃した場合に備え再利上げの選択肢を残しておく必要があるとの考えを示した。
一方、FRB内でタカ派として知られるウォラー理事は28日、インフレ率が低下し続ければ、数カ月先に政策金利を引き下げる可能性を示唆した。
クリーブランド地区連銀のメスター総裁は29日、FRBは経済データに「機敏」であることが必要だと改めて指摘した。
米商務省が29日発表した第3・四半期実質GDP改定値は年率換算で前期比5.2%増と、速報値の4.9%増から上方改定された。
S&P主要11セクターでは不動産と金融の上昇率が最大だった。通信サービスは1.1%下落した。
マイクロソフトやアップルなど金利動向に敏感なモメンタム銘柄がS&P500の重しとなった。
医療保険大手のヒューマナとシグナはそれぞれ5.5%安、8.1%安。関係筋によると、両社は合併に向けて協議中。
自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)は9.4%上昇。100億ドルの自社株買いと33%の増配を実施すると発表した。
フォード・モーターも2.1%上昇した。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を2.06対1の比率で上回った。ナスダックでも1.51対1で値上がり銘柄が多かった。
米取引所の合算出来高は114億2000万株。直近20営業日の平均は104億5000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 35430.42 +13.44 +0.04 35436.80 35579.13 35405.89
前営業日終値 35416.98
ナスダック総合 14258.49 -23.27 -0.16 14367.11 14423.22 14247.89
前営業日終値 14281.76
S&P総合500種 4550.58 -4.31 -0.09 4571.84 4587.64 4547.15
前営業日終値 4554.89
ダウ輸送株20種 14816.54 +0.30 0.00
ダウ公共株15種 862.47 -5.36 -0.62
フィラデルフィア半導体 3753.36 +35.01 +0.94
VIX指数 12.98 +0.29 +2.29
S&P一般消費財 1339.14 -4.76 -0.35
S&P素材 512.25 +1.92 +0.38
S&P工業 893.39 +2.90 +0.33
S&P主要消費財 738.13 -6.01 -0.81
S&P金融 589.09 +4.14 +0.71
S&P不動産 231.11 +1.68 +0.73
S&Pエネルギー 637.21 -5.68 -0.88
S&Pヘルスケア 1508.21 +0.29 +0.02
S&P通信サービス 237.17 -2.69 -1.12
S&P情報技術 3275.70 +0.35 +0.01
S&P公益事業 315.29 -2.50 -0.79
NYSE出来高 10.33億株
シカゴ日経先物12月限 ドル建て 33280 + 10 大阪比
シカゴ日経先物12月限 円建て 33275 + 5 大阪比