Stephen Culp
[ニューヨーク 30日 ロイター] - 米国株式市場はダウ工業株30種が今年の最高値を付け、好調となってきた11月を締めくくった。インフレ指標の鈍化を受け、米金融政策緩和の見通しが意識された。
ダウは決算が市場予想を上回った顧客管理ソフト大手のセールスフォースに支援され、主要指数をアウトパフォーム。昨年1月以来の高値で引けた。
S&P総合500種は小幅に上昇したが、ナスダック総合は、半導体大手エヌビディアなどハイテク関連分野のモメンタム銘柄の下げが重しとなりマイナス圏に沈んだ。
それでもS&Pとナスダックは月間で昨年7月以来最大の上昇率を記録。ダウの月間上昇率は昨年10月以来の大きさとなった。
カーソン・グループのチーフマーケットストラテジスト、ライアン・デトリック氏は「今月は素晴らしい月だった。投資家が1カ月前にどれほど懸念していたかが思い起こされるが、株式市場にとって史上最高の月の一つとなった」と語った。
30日に発表された10月の個人消費支出(PCE)は緩やかに増加したほか、PCE価格指数の前年同月比の伸びは2021年以降で最小となった。
デトリック氏は「早期に利上げが行われる見込みはなく、次の動きはおそらく来年半ばの利下げだろう。今月の(国債)利回りの大幅低下は利上げが終了したと債券市場が考えていることを示す」と述べた。
S&P主要11セクターではヘルスケアがアウトパフォームする一方、通信サービスの下落率が最大だった。
経済の健全性を測る指標とされるダウ輸送株20種は1.4%上昇した。
セールスフォースは9.4%急伸。クラウドサービスに対する堅調な需要を背景に利益見通しが市場予想を上回った。
自動車大手フォード・モーターは3.1%安。全米自動車労働組合(UAW)によるストライキ後に結んだ新たな労働協約により、88億ドルの費用が発生するとの見通しを示し、通期業績予想を引き下げた。
画像共有サービスのピンタレストとスナップはそれぞれ2.4%高、6.5%高。ジェフリーズが両社の投資判断を「ホールド」から「バイ」に引き上げた。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.62対1の比率で上回った。ナスダックでは1.01対1で値下がり銘柄が多かった。
米取引所の合算出来高は132億2000万株。直近20営業日の平均は105億5000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 35950.89 +520.47 +1.47 35596.57 35970.70 35592.22
前営業日終値 35430.42
ナスダック総合 14226.22 -32.27 -0.23 14265.05 14289.20 14127.06
前営業日終値 14258.49
S&P総合500種 4567.80 +17.22 +0.38 4554.87 4569.89 4537.24
前営業日終値 4550.58
ダウ輸送株20種 15018.51 +201.97 +1.36
ダウ公共株15種 866.76 +4.29 +0.50
フィラデルフィア半導体 3724.58 -28.78 -0.77
VIX指数 12.92 -0.06 -0.46
S&P一般消費財 1336.91 -2.23 -0.17
S&P素材 517.20 +4.95 +0.97
S&P工業 902.92 +9.53 +1.07
S&P主要消費財 744.26 +6.13 +0.83
S&P金融 595.09 +6.00 +1.02
S&P不動産 233.02 +1.91 +0.83
S&Pエネルギー 641.28 +4.07 +0.64
S&Pヘルスケア 1527.09 +18.88 +1.25
S&P通信サービス 234.77 -2.40 -1.01
S&P情報技術 3273.06 -2.64 -0.08
S&P公益事業 316.57 +1.28 +0.41
NYSE出来高 19.77億株
シカゴ日経先物12月限 ドル建て 33545 + 45 大阪比
シカゴ日経先物12月限 円建て 33540 + 40 大阪比