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スイスのロシュ、米カーモットを27億ドルで買収 肥満薬参入

発行済 2023-12-05 11:04
更新済 2023-12-05 11:09
© Reuters. スイス製薬大手ロシュは、肥満症治療薬の開発を手掛ける米カーモット・セラピューティクスを27億ドルの前払い金を支払って買収することで合意した。写真は、同社のロゴ。2020年

Ludwig Burger

[4日 ロイター] - スイス製薬大手ロシュは、肥満症治療薬の開発を手掛ける米カーモット・セラピューティクスを27億ドルの前払い金を支払って買収することで合意した。デンマークのノボノルディスクと米イーライリリーが優勢な減量薬市場への参入を図る。

カーモットの週1回注射で投与する候補薬「CT─388」は、イーライリリーの「マンジャロ」や「ゼップバウンド」と同じデュアルGLP─1/GIP受容体作動薬に分類される。

ロシュの製薬部門責任者、テレサ・グラハム氏は4日、ロイターに対し、第1相臨床試験で良好な結果が得られたことから、第2相試験への移行の準備を整え、2030年代の市場投入を視野に入れていると明らかにした。

グラハム氏は、CT─388は単独投与ないし他の化合物との併用においてもGLP─1クラスで最高の肥満症薬になる可能性があると強調した。

買収手続きは2024年第1・四半期に完了する見通し。ロシュは前払い金に加えて、一定のマイルストーン(事業目標)の達成に応じて最大4億ドルを支払う。

今回の買収はロシュにとって、2018年にいったん断念したGLP─1分野への復帰を意味する。当時、傘下の中外製薬が候補薬の権利をイーライリリーに5000万ドルの前払い金で売却した。

カーモットは先月、新規株式公開(IPO)を申請。同社は2008年、長年最高経営責任者(CEO)を務めたスティグ・ハンセン氏によって共同で創業された。

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