Yelin Mo Fanny Potkin
[北京/シンガポール 11日 ロイター] - 騰訊控股(テンセント・ホールディングス)を含む中国の半導体設計会社が、自社の人工知能(AI)半導体を米エヌビディア製品の代替品として積極的に売り込んでいることが分かった。米輸出規制で顧客のエヌビディア離れが進むと期待しているためだ。事情に詳しい関係筋4人が明らかにした。
エヌビディアはAIソフトウエア開発向けに膨大な量のデータを処理するために使用される半導体で中国市場(70億ドル規模)の90%ものシェアを占めている。
米規制は最先端の半導体にしか影響しないものの、顧客がエヌビディアを敬遠する可能性があることに賭けているため、国家が支援する海光信息や新興企業の天数智芯のような小規模企業でさえエヌビディアのシェアを奪おうと躍起という。
関係筋によると、中国最大のソーシャルメディア・ゲーム企業テンセントはクラウドサービスも外部クライアントに販売しており、ディープラーニングのスタートアップ企業である燧原科技と共同開発したAI推論チップ「紫霄」を使用したサービスを推進。一部のエヌビディア製チップに匹敵する性能を売りにしているという。
テンセントは「紫霄v1」を画像・音声認識のAIアプリケーションに使われるエヌビディアの「A10」の安価な代替品として売り込んでいるほか、AIトレーニング用に最適化された「v2Pro」もエヌビディアの「L40S」の代替になると勧めているという。
エヌビディアはコメントを避けた。