Davide Barbuscia
[ニューヨーク 22日 ロイター] - 米資産運用会社ブラックロックのグローバル債券担当チーフインベストメントオフィサー、リック・リーダー氏は22日、債券市場は24年の米連邦準備理事会(FRB)の利下げに過度な期待を寄せているとの認識を示した。
同氏はインタビューで、市場はFRBが早ければ3月から計150ベーシスポイント(bp)の利下げを開始するとみているが、これは行き過ぎだと指摘。「市場が想定している利下げを実現するには、労働指標などいくつかの指標がかなり悪化しなければならない。米経済に対する懐疑的な見方は根強いが、それは行き過ぎだと思う」と述べた。
また、超短期ゾーンと超長期ゾーンではここ数カ月で急激に価格が上昇しているため、これ以上の上昇は限定的とも指摘。「2024年の同ゾーンのリターンの多くはすでに達成されているとみている」とした。
リーダー氏は、来年5月に利下げが始まり年末まで計75─100bp引き下げられると予想。米国債のイールドカーブ(利回り曲線)では5年物や7年物など特定の年限が利下げの恩恵を最も受けるとし、5年債利回りが50bp以上低下する可能性もあると予想した。
同氏が運用する上場投資信託(ETF)の「ブラックロック・フレキシブル・インカムETF」の投資対象を短期債から主にイールドカーブの「ベリー(お腹)」と呼ばれる中期ゾーンに移したことも明らかにした。先週設定し、同じくリーダー氏が運用する「ブラックロック・トータル・リターンETF」の年限は約6年だと語った。
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