Maki Shiraki
[東京 5日 ロイター] - 国土交通省の航空局幹部は5日、羽田空港で2日に起きた日本航空(JAL)と海上保安庁の航空機同士の衝突事故について、管制官の基本動作は適切だったとの認識を示した。国の運輸安全委員会が調査を進めているが、国交省も管制官に聴取をしたという。記者団に語った。
複数の国内メディアは、海保機が滑走路に進入していたことに気づいていなかったと管制官が国交省の聞き取りで話していることが分かったと報じている。
この報道内容について、国交省幹部は記者団に対し、管制官が海保機の滑走路進入に気づいているようなやり取りが「交信記録上はないということは事実だ」と説明。「海保機に対してどういう見方をしていたかは今後の運輸安全委員会の調査で明らかになっていく」述べ、「正式に公表していることは今の段階ではない」と話した。聴取内容の詳細には言及しなかった。
事故は2日午後5時47分に発生。海保のMA722固定翼機が新潟航空基地へ被災地向けの物資を運ぶため離陸準備をしていたところ、着陸してきたJAL516便と滑走路上で衝突した。
国交省が3日に公表した管制官との交信記録によると、MA722は滑走路手前の停止位置まで進むよう指示を受けていたが、滑走路内への進入や離陸を許可された形跡はなかった。
運輸安全委員会が事故当日から調査を開始。警視庁も3日、特別捜査本部を東京空港署内に設置した。
羽田空港では現在、機体の撤去作業が進んでいる。