Arsheeya Bajwa
[24日 ロイター] - 米IBMが24日発表した今年の売上高伸び率見通しは約4─6%で、LSEGのデータに基づく市場予想の約3%を上回った。
ITソフトウエアとコンサルティングのサービス分野で、人工知能(AI)の事業への活用を目指す企業からの需要が増えていることが追い風だ。
株価は時間外取引で8%超上昇した。
IBMは対話型AI「チャットGPT」などの生成AI技術を企業が構築できるさまざまなツールを提供している。
アービンド・クリシュナ最高経営責任者(CEO)は2023年第4・四半期の生成AI関連受注が前期比約2倍に増加したと述べた。
ジェームズ・カバノー最高財務責任者(CFO)はロイターに、AI関連受注のおよそ3分の1はソフトウエア、残りはコンサルティングだと説明し、第4・四半期にもAI絡みで多様な新規顧客との案件を成約したと述べた。
グローバルX・ETFのアナリスト、メイ・ディー氏は「IBMの強みはAI関連のコンサルティング部門で、重要性を増すAIソフトソリューションと相まって同社を競合他社より有利にしている」と指摘した。
カバノー氏は「非常に不安定で不確実」な事業環境が続いているとも述べた。
それでも第4・四半期売上高は173億8000万ドルと、市場予想の173億ドルを超えた。調整後利益も予想を上回った。
最大事業ソフトウエア部門の売上高は前年比約3%増の75億1000万ドル。メインフレーム(大型汎用機)などを手がけるインフラ部門は、ビジブルアルファがまとめた市場予想の42億9000万ドルよりも多い46億ドルだった。カバノー氏はAI搭載半導体などの強化が寄与したと述べた。
同氏によると、第4・四半期はドルが比較的軟調だったことが80ベーシスポイント(bp)前後の増収につながったが、今年は為替レートが売上高を100bp押し下げる見通しだという。
IBMの広報担当者は、24年に人員削減を実施する予定だが、AIに注力する職種で採用を行うため、今年末の従業員数はほぼ変わらないとの見通しを示した。23年に計上した約4億ドルと同様の人員調整費用が発生する可能性があるとした。