[25日 ロイター] - 米半導体大手インテルが25日発表した第1・四半期の売上高見通しは市場予想を下回った。従来型サーバーやパソコン(PC)向け半導体の需要を巡る先行き不透明感を映した。
株価は引け後の時間外取引で約10%下落した。
第1・四半期の調整後売上高見通しは約122億─132億ドルと、LSEGがまとめたアナリスト予想平均の145億ドルに届かなかった。
特別項目を除く1株利益見通しは0.13ドル。アナリスト予想は0.33ドルだった。
パット・ゲルシンガー最高経営責任者(CEO)はインタビューで、中核事業のPC・サーバー向け半導体が自動運転技術子会社モービルアイなど非中核事業と同時に季節的な需要低迷に見舞われていると述べた。
同社は現在、通期業績見通しを公表していないが、ゲルシンガー氏は20億ドル相当の人工知能(AI)用半導体を受注しているとし、年内に売り上げが改善すると予想。「今年は売上高、利益ともに毎四半期、前年比と前期比の両方で改善する見込みだ」と述べた。
インテルは多額の投資が重しとなり、一時60%を超えていた粗利益率が2023年前半には30%台半ばに落ち込んだ。ただ、第3・四半期は45.8%(調整後)に改善、第4・四半期は48.8%となった。
インベスティング・ドット・コムのシニアアナリスト、トーマス・モンテイロ氏は「投資家は昨年の巨額AI投資のツケを回収し始めている。インテルはPC向け部門から軸足を移し、データセンター・AIから確かな利益を出し始める必要がある。さもなければ一段の株価下落に直面する」と述べた。
アナリストは24年がインテルにとって、AI搭載パソコンやAI用半導体の市場拡大の波に乗ることができるかどうかを決める重要な年になると予想してきた。
同業エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイシズ(AMD)が先行するAI対応データサーバーにシフトする動きが続いており、インテルの強みだった従来型サーバー用半導体の需要は減退している。データセンター部門の23年第4・四半期売上高は10%減の40億ドルとなった。
サミット・インサイツのアナリスト、キンガイ・チャン氏は、インテルがデータセンター向けAI半導体で出遅れたとし、それが第1・四半期の同事業見通しに影響したと述べた。
インテルはパソコン向け半導体のシェア上位にあり、低調な業績見通しはコロナ禍後不況からのパソコン市場回復期待に水を差す格好となった。パソコン向けを含むクライアント部門の売上高は第4・四半期に33%増の88億ドルとなった。
モービルアイが発表した第4・四半期売上高も市場予想を下回った。