Jasper Ward Krystal Hu
[ワシントン 25日 ロイター] - 米連邦取引委員会(FTC)は25日、マイクロソフトなど5社に対して、生成人工知能(AI)とクラウドサービス分野における最近の投資や提携に関する情報を提供するよう求めた。
対象となったのはマイクロソフトのほか、対話型AIを開発する米新興のオープンAIとアンスロピック、グーグル親会社アルファベット、アマゾン・ドット・コムの各社。
FTCはマイクロソフトなど巨大IT(情報技術)企業とAIプロバイダー間の提携や投資を精査し、競争に与える影響を把握したい考え。
FTCは文書で、巨大IT企業との提携による戦略への影響のほか、製品・サービスの価格設定とアクセス許可や人員を巡る決定にどのように影響しているかについて詳しい情報を求めている。独占契約の情報も要求した。
各社は文書を受け取ってから45日以内に対応する必要がある。
マイクロソフトはFTCに情報を提供するとし、米企業間の提携により米国はAI分野で先行できていると指摘。同社幹部リマ・アライリー氏はマイクロソフトやオープンAIのような企業間の提携が競争を促進し、技術革新を加速させていると述べた。
グーグルは、FTCの調査により自社ほど開放的ではなく「顧客の囲い込みを長く行ってきた」企業に光が当たることを望むと表明。
他の3社からコメントは得られていない。
FTCのリナ・カーン委員長は就任後初めてシリコンバレーを視察した際、AIが少数企業に支配されいないかFTCが検証していると述べていた。
AI開発への投資ではマイクロソフトとアマゾンが支配的な地位を確保。モルガン・スタンレーのアナリストによると、2023年の生成AI関連企業の資金調達への出資に占める両社の比率は90%に達している。
政治専門サイトのポリティコは今月、米司法省とFTCが独占禁止法を巡る問題でオープンAIの調査が可能なのはどちらかについて議論を交わしたと伝えた。
マイクロソフトが昨年、オープンAIに対して100億ドルを超える出資を約束したことを受け、両社の提携が独占禁止法の観点で当局の注目を集めるようになっている。
アンスロピックはアマゾンから40億ドル、アルファベットから20億ドル強の出資をそれぞれ受けている。調査会社ピッチブックによると、オープンAIとアンスロピックは昨年の米新興企業の資金調達額の約10%を占めた。