David Shepardson
[ワシントン 29日 ロイター] - 米アマゾン・ドット・コムとロボット掃除機「ルンバ」を展開する米アイロボットは29日、欧州連合(EU)規制当局の反対に直面し、アマゾンによるアイロボット買収計画を中止すると発表した。
アイロボットはコスト削減のための大幅なリストラ計画を発表した。全従業員の約31%に当たる350人を削減する。また、コリン・アングル氏が最高経営責任者(CEO)を退任したと発表した。
アマゾンは14億ドルでのアイロボット買収計画について、EUの規制当局から承認を得られる道はないとした。
欧州委員会のベステアー上級副委員長(競争政策担当)は調査の結果、アマゾンによるアイロボット買収が競合相手の締め出しにつながる可能性を示したと明らかにした。アマゾンが競合他社のロボット掃除機の表示を取りやめたり、競合他社がアマゾンのサイト上で製品を広告・販売するコストを上げたりなどする可能性があると指摘した。
また関係者によると、米連邦取引委員会(FTC)の職員が先週、アマゾン側との会合を開き、FTCに買収を阻止するよう提言する意向を伝達。FTCは29日にアマゾン側と最終的な会議を行った後、買収に対する法的な異議申し立てを巡る採決を行う予定だったという。
アイロボットの株価は序盤の取引で一時18%超下落し14年ぶりの安値を付けた。その後は下げ幅を縮小した。
アイロボットはコスト削減のための大幅なリストラ計画を発表。従業員の約31%、350人を削減すると述べた。