[31日 ロイター] - 米医薬品大手バイオジェンは、アルツハイマー病治療薬「アデュヘルム」の研究・販売を打ち切ると発表した。同薬が正式承認を得る前に、新薬が市場に出回ることを懸念しているとした。
同薬はかつてバイオジェンの次の主力薬になると期待され、2021年に米食品医薬品局(FDA)の迅速承認を得たが、有効性を示す明確なデータがないまま承認されたことが物議を醸した。
米メディケア(高齢者・障害者向け米公的医療保険)が同薬の保険適用を制限する決定を下し、利用拡大が阻まれたことから同社は22年に商業化を断念していた。
バイオジェンは、アデュヘルムの権利を権利元であるスイスのニューリミューンに返還する。07年の権利取得から17年の時を経て手放すこととなった。研究・販売打ち切りに伴い23年第4・四半期の一時費用として6000万ドルを計上するとした。