[フランクフルト 1日 ロイター] - ドイツ銀行が1日発表した2023年第4・四半期決算は、収入が増えたもののリストラ費などがかさみ、30%の減益となった。ただ、市場予想ほどは落ち込まなかった。
同行は3500人を削減すると発表。人員削減の方針はすでに示していたが、初めて削減数を明らかにした。バックオフィス担当の人員を削減する。
また、16億ユーロ(17億3000万ドル)相当の自社株買いと配当の計画も発表。今年上半期に実施する。収入の伸び率見通しも引き上げた。
23年は投資銀行部門に代わってリテール部門が収入面でけん引役となった。ディールメイクが世界的に低迷した一方、リテール部門は金利上昇の恩恵を受けた。
アナリストは今年と来年もリテール部門がけん引役になると予想。同行は業績の変動が大きい投資銀行部門への依存から脱却することを目指している。
第4・四半期の株主帰属の純利益は12億6000万ユーロと、前年同期の18億0300万ユーロから減少したが、アナリスト予想の約7億ユーロを上回った。
通期利益は前年の50億3000万ユーロから42億1000万ユーロに減少。アナリスト予想の36億6400万ユーロは上回った。
黒字は14四半期連続、4年連続となった。
ドイツ連邦金融監督庁(BaFin)はこのほど、国内行の24年の見通しについて、不動産業界の低迷が経済の重荷となり、融資が不良債権化するのに伴い、それほど好調ではなくなると警告している。
だがドイツ銀は21─25年の売上高の年平均成長率(CAGR)目標を3.5%─4.5%から5.5%─6.5%に引き上げた。
クリスティアン・ゼービング最高経営責任者(CEO)は 目標達成を「確信している」と強調した。