[ミラノ 5日 ロイター] - 欧米自動車大手ステランティスのジョン・エルカン会長は5日、仏同業ルノーとの合併観測報道を否定した。
これに先立ちイタリア紙イル・メッサジェッロが、ルノーの筆頭株主であるフランス政府が同社とステランティスの統合を検討していると報道。匿名の金融関係者の話として、フランスは自動車部門の支配力を高め、中国やドイツとの競争に対抗することを狙っているとしていた。
エルカン会長は声明で「他のメーカーとの事業統合に関する検討中の計画はない」とし、自社の長期事業計画に注力していると述べた。
一時4%超上昇していたルノー株は1%に上げ幅を縮小した。
報道が伝わった際、エクイタのアナリストは、こうした統合は独占禁止法上の問題に直面し、フランスに施設が重複しているため、社会問題にもなると指摘していた。
ステランティスは、イタリア政府からの風当たりが強くなっている。先週も閣僚が、フランスの影響とバランスを取るためにイタリア政府が出資する構想に言及していた。