Andrew Silver
[上海 5日 ロイター] - 中国医薬の無錫薬明康徳新薬開発の株価急落の原因となった米議会の法案は、同社だけでなく、同社に研究や医薬品製造で依存する多くの研究所や欧米の製薬会社にも影響を与える可能性があることが公開資料で分かった。
米下院の中国問題を扱う特別委員会は先月、連邦政府から資金支援を受ける医療機関に対し、中国の華大基因(BGI)グループや無錫薬明康徳などへの米国人の遺伝子情報の提供を制限する法案を提出。
同様の法案は上院にも提出され、連邦政府機関が対象企業と契約したり、対象企業の機器やサービスを使用する企業と契約を結ぶことも禁止する内容となっている。法案成立の見通しは立っていない。
法案提出以降、上海と香港株式市場で無錫薬明の株価が約50%急落。同社がいかなる政府や軍事組織とも関係はなく、ヒトのゲノムデータ収集は行っていないと発表したことを受け、5日は香港で4%上昇した。
無錫薬明とその関連企業、薬明生物技術は米製薬大手ファイザーや英同業アストラゼネカとグラクソ・スミスクライン、米国の公的研究機関と提携して事業を行ってきた。米エネルギー省の資料によると、米ローレンス・リバモア国立研究所も無錫薬明のサービスを利用している。