Chuck Mikolajczak Noel Randewich
[ニューヨーク 29日 ロイター] - 米国株式市場は上昇。S&P総合500種とナスダック総合が終値で最高値を付けた。人工知能(AI)関連銘柄が買われたほか、インフレ指標と米連邦準備理事会(FRB)当局者の発言を受けて利下げへの期待が高まった。
大型半導体株のエヌビディアが2.08%上昇し、S&Pとナスダックを押し上げた。同業アドバンスト・マイクロ ・デバイセズ(AMD)も9.06%高と大きく上げた。これらのAI関連株やテクノロジー株はAI分野での成長期待からここ数カ月、市場の上げをけん引してきた。
デル・テクノロジーズも引け後に決算発表を控える中、1.51%上昇した。同社はエヌビディアのハイエンドプロセッサーを搭載したAI向けサーバーを販売している。
この日発表された1月の個人消費支出(PCE)価格指数は上昇率が市場予想と一致。前年比では約3年ぶりの低い伸びとなった。
CMEグループのフェドウオッチによると、市場が織り込む6月の利下げ確率が高まった。
ベアードの投資戦略アナリスト、ロス・メイフィールド氏は「少なくとも予想と一致し、タカ派的なサプライズがないことから、市場にとってFRBがすでに説明している以上にタカ派的になると考える理由はない」と指摘した。
ナスダックは2021年11月19日に付けた過去最高値の1万6057.44ポイントを上回った。S&Pは前週に更新していた最高値の5088.80を上回った。
ダウ工業株30種は小幅高。米司法省が調査していると報じられた航空機大手ボーイングが1.59%下落したことなどから上値が抑制された。
月間ではS&Pは5.17%高、ナスダックは6.12%高、ダウは2.22%高。主要3指数はいずれも4カ月連続の上昇となった。小型株で構成されるラッセル2000指数は2月に5.45%上昇した。
アトランタ地区連銀のボスティック総裁は29日、インフレ率がFRBの目標である2%に戻る道筋は一様ではないとした上で、経済情勢が予想通りに推移すれば、FRBは「夏ごろ」に利下げに着手するとの見方を改めて示した。
クラウド上でデータ管理・分析を手がけるスノーフレイクは18.14%急落。第1・四半期の製品売上高見通しが市場予想を下回ったほか、フランク・スルートマン最高経営責任者(CEO)が退任すると発表した。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を2.7対1の比率で上回った。ナスダックでも1.57対1で値上がり銘柄が多かった。
米取引所の合算出来高は138億8000万株。直近20営業日の平均は117億8000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 38996.39 +47.37 +0.12 39013.75 39074.13 38809.28
前営業日終値 38949.02
ナスダック総合 16091.92 +144.18 +0.90 16059.34 16115.96 15931.70
前営業日終値 15947.74
S&P総合500種 5096.27 +26.51 +0.52 5085.36 5104.99 5061.89
前営業日終値 5069.76
ダウ輸送株20種 15841.59 +135.38 +0.86
ダウ公共株15種 840.96 -0.41 -0.05
フィラデルフィア半導体 4726.92 +124.32 +2.70
VIX指数 13.40 -0.44 -3.18
S&P一般消費財 1485.31 +13.27 +0.90
S&P素材 550.91 +4.33 +0.79
S&P工業 1022.56 +3.49 +0.34
S&P主要消費財 789.20 -2.26 -0.29
S&P金融 670.05 -0.06 -0.01
S&P不動産 245.41 +2.06 +0.85
S&Pエネルギー 653.14 +2.81 +0.43
S&Pヘルスケア 1686.41 -12.34 -0.73
S&P通信サービス 272.50 +3.23 +1.20
S&P情報技術 3748.57 +43.47 +1.17
S&P公益事業 313.71 +0.13 +0.04
NYSE出来高 18.09億株
シカゴ日経先物3月限 ドル建て 39305 + 45 大阪比
シカゴ日経先物3月限 円建て 39300 + 40 大阪比
*内容を追加して再送します。