David Shepardson
[ワシントン 29日 ロイター] - 米政府は、インターネットに接続する「コネクテッドカー(つながる車)」を巡り、輸入された中国車が国家安全保障上のリスクをもたらしていないかどうか調査を開始し、今後何らかの規制を加えることも検討する。ホワイトハウスが29日明らかにした。
ホワイトハウスによると、つながる車は運転者や同乗者に関する大量の重要なデータを収集するとともに、カメラとセンサーは常時米国のインフラに関する詳細な情報を記録している。
バイデン大統領は「中国の政策で米国市場は中国車だらけになる恐れがあり、国家安全保障に対するさまざまなリスクが生まれる」と主張し、中国などの国から輸入されて米国の道路を走る車が安全保障を絶対損なわないようにするため、これまでにない措置を講じる意義を訴えた。
ホワイトハウスは、具体的にどのような対応を取るのかに言及するのは時期尚早で、中国のつながる車の輸入禁止や制限が決まったわけでないと述べた。
ただ複数の高官は、米政府には幅広い権限があり「大きな影響」を与える方策を打ち出すことができるとくぎを刺した。
自動車業界団体の米国自動車イノベーション協会(AAI)は商務省に対し、何らかの措置を講じる場合は業界と緊密に連携してほしいと要望。米経済や国家安全保障のリスクを対象にするのは問題ないが、そうしたリスクが低い上に先進的な自動車の安全を確保する技術に打撃を与えるような規制には反対する姿勢を示した。
中国外務省報道官は1日の定例会見で、中国車が世界で人気があるのは「いわゆる不公正な慣行」のためではなく、激しい市場の競争を勝ち抜き革新的な技術があるためだと指摘。
「米国に対し、市場経済の法則と公正な競争の原理を尊重し、国家安全保障という概念の拡大解釈をやめるよう求める。中国企業に対する差別的な抑圧をやめ、公正で差別のない開かれた事業環境を支持するよう求める」と述べた。