Sarah McFarlane Anousha Sakoui Ron Bousso
[１１日 ロイター] - アラブ首長国連邦（ＵＡＥ）のアブダビ国営石油会社（ＡＤＮＯＣ）が最近、英石油大手ＢＰの買収を検討していたことが分かった。事情に詳しい複数の関係者がロイターに語った。ただ、買収案は予備協議以上に進展しなかったという。
関係者によると、ＡＤＮＯＣは、同社の戦略にＢＰは合わないと判断した。政治的考慮も影響したという。
ＢＰは、ここ何年も競合他社より業績不振に陥っており、投資家やアナリストは、こうした状況でＢＰが買収の標的になると指摘している。米石油大手各社は、数十年来の大規模な業界再編の最中にあるが、欧州の同業企業がこれまで関わることはなかった。
投資家は、化石燃料生産を縮小し、競合するシェル、エクソン、シェブロンなどよりも迅速な再生可能エネルギーへの移行を目指したＢＰの計画に苦言を呈した。同社は昨年２月に、より積極的なエネルギー移行計画を撤回している。
ＡＤＮＯＣとＢＰは、過去数カ月間に直接交渉した。ＡＤＮＯＣは、買収取引の可能性について、投資銀行からの助言も求めた。
ＡＤＮＯＣは以前ロイターに対し、海外事業拡大の一環として、再生可能エネルギーやガス、石油化学、液化天然ガス（ＬＮＧ）などの分野への投資機会を探っていると話していた。ＡＤＮＯＣは、これらの分野を将来的に成長する主要市場と捉えている。