Zoey Zhang
[上海 14日 ロイター] - 中国電気自動車(EV)メーカー、蔚来汽車(NIO)の創業者李斌(ウイリアム・リー)氏は13日、米ハーバード大学主催のイベントで講演し、米国で政治家らが中国メーカーの米自動車市場参入制限を強化しようとする中、市場を開放するよう訴えた。
李氏は中国におけるEVの急成長について、ブランドやメーカーに関係なく全ての製品が歓迎される開かれた競争市場の結果だとの認識を示した。また米EV大手テスラの中国での成功に触れ、同社の存在がEVの普及を後押しし、業界を活気付けたと述べた。
NIOが提供した講演原稿によると、同氏は「競争はより大きな投資、損益分岐点までのより長い時間、許容誤差の減少、成功の可能性の低下につながる。しかし中国が国内企業を保護するとは考えていない。その半面、市場開放は最終的に業界と持続可能性のためになり、優良企業をなお一層良くするからだ」と説明した。
中国製EVは政府から多額の補助金を受けていると言われ、自国のメーカーに損害を与える可能性があるとして、中国と西側諸国間の緊張は高まっている。
欧州連合(EU)は比亜迪(BYD)、吉利汽車、上海汽車(SAIC)などの中国メーカーを調査しており、補助金を巡り関税を課す可能性がある。
米市場では中国製EVはほとんど販売されておらず、既に高い関税がかけられている。BYDは米国で販売する計画はないとしている。