Daniel Leussink Liam Mo
[北京 29日 ロイター] - 米電気自動車(EV)大手テスラの株価は29日の米国株式市場で15.3%上昇した。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が先週末に訪中し、同社の運転支援機能「フルセルフドライビング(FSD)」の中国での実用化に向け前進したとの期待が高まった。
株価の大幅上昇でテスラの時価総額は900億ドル増加した。
ただ、テスラが今後、自動運転車開発で極めて重要となるデータの国外移動に関する承認を中国政府から得られるかどうかが課題となる。
マスクCEOは28日から中国を訪問。FSDの導入や海外へのデータ移動の承認について政府当局者らと協議するとされていた。
マスク氏は中国訪問中、テスラの「モデル3」と「モデルY」がデータセキュリティー規制に準拠しているというお墨付きを中国の主要自動車協会から獲得。テスラの声明を引用して中国メディアが報じたところによると、これにより、これまで禁止されていた地域でのテスラ車の乗り入れを地方政府が認めることになるという。
関係者によると、テスラは公道でのデータ収集に百度(バイドゥ)の地図ライセンスを使用することで合意した。これに伴い、FSDの中国導入に向け前進したという。
マスク氏は報道についてコメントしていないが、今月に中国で「非常に近いうちに」FSDを利用できるようになる可能性があると述べた。
テスラがデータ転送で中国当局の承認を得られるかどうかは、同社の中国でのFSD実用化と全世界での自律走行車計画にとって重要になる。ロイターは、マスク氏の訪中時に、データ移動の承認で進展があったかどうかは確認できていない。