億万長者リチャード・リーのFWDグループが、香港での株式公開に再挑戦している。関係筋によると、規制の遅れや市場環境の悪化で頓挫したこの汎アジアの保険会社は、新規株式公開（IPO）で最大90億ドルの評価を求める可能性があるという。
正確な時期や規模は確定しておらず、計画は予備段階にある。IPOプロセスの再開は、FWDが資本市場の状況を監視し続ける中で決定された。FWDの広報担当者は、現在のところ積極的な上場申請はないが、市場の動向を注視しているとコメントしている。
2013年にFWDを設立したリチャード・リーは、自身の投資会社パシフィック・センチュリー・グループを通じて同社を所有している。同グループの事業内容は、テクノロジー、メディア、テレコム、不動産、金融サービスなど様々な分野に及んでいる。
FWDは2022年に香港で上場を試みた際、少なくとも100億ドルの評価額を目指したが、市場が不安定だったため中止された。それ以前の2021年、FWDはニューヨークIPOで20億ドルから30億ドルの資金調達を目指したが、米国規制当局からの承認取得が大幅に遅れたため、計画は延期された。
FWDはアジアの10市場で事業を展開しており、スイス再保険会社やアポロ・グローバル・マネジメントといった著名な少数株主から出資を受けている。FWDは2021年と2022年に私募で18.3億ドルを調達しており、資金調達後の評価額は約90億ドルである。
FWDの業績は大幅な伸びを示しており、新規契約額は22％増の9億9,100万ドルに達し、税引き後営業利益は27％増の3億7,200万ドルに達したとホームページで報告されている。
中国経済の減速と地政学的緊張の中で新規上場が減少している香港の金融市場にとって、上場の可能性は前向きな動きと見られている。ただし、ハンセン指数は前年13.8％減の後、今年は9％増となっている。IPOの成否は、市場環境と投資家心理に左右されるだろう。
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