最近のハイテク株の下落を安定させ、米国株式市場全体を下支えする可能性があるとして、投資家は主要テクノロジー企業の決算発表に注目している。S&P500種株価指数のテクノロジー・セクターは、今年好調だった銘柄から不調だったセクターへと資金がシフトしているため、約6％（約9,000億ドル相当）の大幅下落となっている。
S&P500種株価指数自体の下落率は1.6％と小さく、ハイテク・セクターの損失は金融、工業、小型株の顕著な上昇で一部相殺されている。最近の低迷にもかかわらず、S&P500指数は年初来で16%以上上昇した。
火曜日に発表が予定されているテスラやアルファベットといったハイテク大手の第2四半期決算は、投資家の大きな期待を集めている。翌週にはマイクロソフトとアップルも決算を発表する予定だ。これらの企業は「マグニフィセント・セブン」と呼ばれるメガキャップグループの一員であり、2023年初頭から市場の成長を大きく牽引してきた。
ウェルズ・ファーゴ・インベストメント・インスティテュートのシニア・グローバル・マーケット・ストラテジスト、スコット・レンは、大手ハイテク企業の収益性と収益の伸びを挙げ、信頼を表明している。市場をリードするこれらの企業の業績が好調であれば、バリュエーションや株価急伸の持続性に対する懸念が和らぐ可能性がある。例えば、エヌビディアは最近の下落にもかかわらず、今年145％という目覚ましい上昇を見せた。
しかし、今後の決算報告で利益の鈍化や人工知能への支出が予想より少ないことが示されれば、今年の株価を支えてきたハイテク優位のシナリオが覆される可能性がある。アルファベット、テスラ、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフト、メタ・プラットフォームズ、アップル、エヌビディアを含むハイテク大手7社は、2024年のS&P500の上昇率の約60%に貢献している。
ハイテク・セクターへの期待は高く、前年比17％の増益が予想され、アルファベットやメタを含む通信サービス・セクターは22％の増益が見込まれている。これらの数字は、S&P500全体の推定上昇率11％を上回る。
今週は、ドナルド・トランプ前大統領の暗殺未遂事件が失敗し、大統領選でのトランプ氏の立場が向上したかに見えたことから、テクノロジー株離れの動きが勢いを増した。さらに、米国が中国への半導体技術輸出の規制強化を検討しているとの報道を受け、半導体株は苦戦を強いられ、フィラデルフィアSE半導体指数は先週から約8％下落した。
アメリプライズ・ファイナンシャルのチーフ・マーケット・ストラテジスト、アンソニー・サグリンベン氏は、最近の下げは長期的な投資機会をもたらす可能性があると指摘。
市場全体では、上昇幅が他セクターに拡大したことで、ラリーの回復力について一部の投資家を勇気づけている。ネッド・デイビス・リサーチは、最近5日間の上昇銘柄数が下落銘柄数を上回り、11月以来の高水準に達したと指摘した。歴史的に、このような強い幅の改善はS&P500にとってプラス指標であり、その後3ヶ月の平均上昇率は4.5%であった。ネッド・デイビスのストラテジストは水曜日のレポートでこの傾向を強調し、メガキャップが平均株価の足を引っ張るリスクはあるが、過去のデータは今後の株価の強気な見通しを示していると示唆した。
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