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ケンコーマヨ Research Memo(5):2025年3月期業績は7期ぶりに過去最高益更新へ

発行済 2024-12-24 12:05
更新済 2024-12-24 12:15
© Reuters.
*12:05JST ケンコーマヨ Research Memo(5):2025年3月期業績は7期ぶりに過去最高益更新へ ■ケンコーマヨネーズ (TYO:2915)の今後の見通し

1. 2025年3月期の業績見通し
同社は2024年8月5日付で、2025年3月期業績見通しの上方修正を行った。
売上高は前期比3.7%増の92,000百万円(期初計画比2,000百万円増)、営業利益は同52.6%増の4,500百万円(同1,300百万円増)、経常利益は同50.0%増の4,650百万円(同1,350百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は同16.4%増の3,185百万円(同925百万円増)とし、各利益は2018年3月期以来、7期ぶりに過去最高を更新する見通しだ。


売上高はタマゴ加工品を中心に調味料・加工食品事業で前期比4.1%増となるほか、総菜関連事業等も同2.6%増と堅調を持続する見通しである。
期初計画比の増減内訳を見ると、調味料・加工商品事業では、ポテトサラダの落ち込みによりサラダ・総菜類を1,520百万円引き下げた一方で、マヨネーズ・ドレッシング類を1,059百万円、タマゴ加工品を1,669百万円、その他を371百万円引き上げた。
また、総菜関連事業等は424百万円の増額修正となっている。
販路別では引き続き外食業界向けを中心に拡大が続く見通しだ。


外食業界の月次売上動向を見ると、2023年と比較して伸び率は鈍化傾向にあるものの、2024年9月が前年同月比8.2%増、10月が同6.1%増と引き続き堅調に推移しており、今後もインバウンド需要が続いていることから、堅調な推移が見込まれる。
中食(惣菜)の市場動向についても、2024年4月以降4%前後で安定した伸びが続いている。
料理の「簡便化」や「個食化」といったトレンドに変わりないほか、野菜価格高騰の影響もあって、今後も需要は堅調に推移するものと予想される。
こうしたなかで、同社の下期売上計画は前年同期比1%強の伸びとなっている。
前下期からタマゴ加工品の売上が回復しハードルが高くなっていることもあるが、やや保守的な印象で若干の上振れ余地があると弊社では見ている。


営業利益の増減要因を見ると、価格改定効果で1,035百万円、販売数量増で333百万円、原材料費の低減で593百万円、生産効率の向上で734百万円の増益要因となる一方、固定経費等の増加で1,144百万円を減益要因として見込んでいる。


価格改定効果については、新たな値上げを予定していないため上期のみの効果となる。
また、原材料費については上期に775百万円の増益要因となったが、下期は逆に182百万円の減益要因で見込んでいる。
2024年8月以降、夏場の猛暑による供給量の減少、外食業界での月見メニュー商戦の活発化による需要の増加、さらにクリスマスシーズンに入りさらなる需要の増加により、鶏卵相場が上昇しており仕入コストの増加が見込まれるほか、高病原性鳥インフルエンザ発生拡大に備えて殻付き卵の在庫を多めに保有するための保管料や凍結卵の輸入コスト増を織り込んだものとなっている。
また、包装資材の価格も上昇傾向にありコスト増要因となる。


生産効率向上の効果については、上期654百万円に対して下期は80百万円と少ないが、タマゴ加工品の製造ラインの稼働率が前下期は回復していたことが主因だ。
今後は商品アイテム数の見直しなどによる生産効率向上に取り組んでいく。
一方、固定経費等の増加については、上期213百万円から下期は931百万円に拡大する見込みとなっている。
2024年9月より新基幹システムを稼働し、減価償却費や運用費などで2億円弱のコスト増要因となるほか、2024年10月〜11月に東京、大阪でグループ総合フェアを開催したこと(2年前の前回は東京のみの開催)、中長期経営計画で立案した各種施策の一部が下期から実行段階に移り、関連費用の増加が見込まれることなどが要因だ。


全体的には利益ベースでも保守的な印象を受けるが、鶏卵価格や包装資材などの価格上昇リスクがあることや、2026年3月期以降を見据えると、利益水準のハードルをあまり高くするのは得策ではなく(2026年3月期に減益となるリスクが高くなるため)、利益ベースでは計画の範囲内で着地することも十分に考えられる。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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