*14:06JST kubell Research Memo(6):営業利益は2020年12月期以来の通期黒字化を見込む
■今後の見通し
1. 2024年12月期の業績見通し
kubell (TYO:4448)の2024年12月期の業績予想は、売上高8,430百万円(前期比30.0%増)、営業利益35百万円(前期は677百万円の損失)、経常利益32百万円(同686百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失58百万円(同620百万円の損失)としている。
ビジネスチャットツール「Chatwork」のさらなる普及とBPaaS事業への積極的な投資を成長ドライバーとして、前期比で力強い成長と収益性の改善を実現する。
特に、「Chatwork アシスタント」や「給与計算アウトソーシング」といったBPaaS関連サービスに注力することで顧客基盤の拡大を目指しており、これが売上成長に寄与することが期待されている。
EBITDAは761百万円を見込んでおり、営業利益は2020年12月期以来の黒字化を達成する見通しである。
利益創出を念頭に置いた体制の構築を進めることで、引き続き高い成長率の維持と収益性の改善を両立させる。
この戦略の一環として、フリープランの提供内容の改定や有料プランへの機能追加を進めており、これにより課金ID数の増加が期待される。
また、BPaaS事業における顧客拡大も売上の変動要因として影響を与えると考えられている。
なお親会社株主に帰属する当期純利益のマイナスについては、会計上のグループ通算制度によるものである。
2. トピックス
2024年12月期のトピックスは以下のとおりである。
(1) 業績予想の修正
同社は2024年12月期の進行に伴い、業績予想を1つの確定値に修正した。
売上高については、前回公表されたレンジ内である8,430百万円と見込まれており、これは前期比で30.0%の成長を示している。
広告宣伝費及び人件費の効率化が進み、EBITDAや営業利益も前回の業績予想を大幅に上回る見通しである。
効率的なコスト管理が奏功し、利益面での上振れ期待が生じていることから、会社の経営効率の向上が着実に反映されていると言える。
(2) フリープランの改定と有料プランの機能追加
同社は2024年8月29日より、ビジネスチャットツール「Chatwork」のフリープランに関して提供内容を大幅に改定した。
これはユーザーのアクティビティデータを分析した結果を基に、サービスをより利用しやすくし、活用度の高いユーザーを有料プランに移行させることを狙った施策である。
この改定は、無料ユーザーから有料ユーザーへの転換率を高め、収益を強化するための戦略的な一手と言える。
課金ID数については、2023年7月に実施した価格改定の影響で一時的に解約が生じたが、これらが一巡した現在、純増数は大幅に増加している。
この傾向は、今後の安定的な収益基盤の拡充を意味し、同社の収益性がさらに高まることが期待される。
また、有料プランに対しても顧客からの要望が高かった機能の追加が順次行われる予定であり、2024年11月には「自分宛て一覧機能」と「予約送信機能」が実装された。
この機能追加により、ユーザーの満足度向上だけでなく、サービスの価値を高め、より多くのユーザーが有料プランに移行することを促進する。
このようなバリューアップ戦略は、課金ID数の増加とARPUの向上を目指す同社にとって、重要な成長ドライバーとなると弊社では見ている。
(3) 外部パートナーとの提携の加速
2024年9月25日、同社グループのkubellパートナーは、ふくおかフィナンシャルグループ (TYO:8354)と顧客紹介に関する協定を締結したことを発表した。
この協定により、ふくおかフィナンシャルグループ傘下の(株)福岡銀行、(株)熊本銀行、(株)十八親和銀行、(株)FFGビジネスコンサルティングの顧客に対してBPaaSサービス「Chatwork アシスタント」の提供が開始される。
今後も外部パートナーとの連携を強化し、リーチできる顧客層を拡大することで、新規顧客の獲得及びサービスの普及に向けた取り組みが期待される。
また10月、クラウド郵便サービス「atena(アテナ)」を提供するatena(株)との業務提携契約を締結したことを発表している。
これにより、郵便物の受領、PDF化、管理・共有をクラウド郵便サービス「atena」上で行うことができ、ユーザーの業務負荷を減らすだけでなく、業務完了までの時間短縮が可能となる。
加えて、atenaが提供するオフライン事務代行サービス「atena 事務代行」との連携で、「Chatwork アシスタント」では対応が難しかった郵便物の発送や契約書の押印といった業務にも対応範囲が拡がり、今後のサービス拡張が期待される。
(4) カルチャーデックのリリース
同社では、規模の急拡大及びBPaaS事業の展開に伴い、社内のミッション・ビジョン・バリューの浸透に注力している。
従業員がミッション「働くをもっと楽しく、創造的に」を体現できるよう、行動指針を解説したカルチャーデック「kubell COMPASS」がリリースされた。
従業員の価値観を尊重しつつ、組織としての一体感を強化することで、優秀な人材の獲得とリテンションを目指す姿勢が明確に示されている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
1. 2024年12月期の業績見通し
kubell (TYO:4448)の2024年12月期の業績予想は、売上高8,430百万円(前期比30.0%増)、営業利益35百万円(前期は677百万円の損失)、経常利益32百万円(同686百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失58百万円(同620百万円の損失)としている。
ビジネスチャットツール「Chatwork」のさらなる普及とBPaaS事業への積極的な投資を成長ドライバーとして、前期比で力強い成長と収益性の改善を実現する。
特に、「Chatwork アシスタント」や「給与計算アウトソーシング」といったBPaaS関連サービスに注力することで顧客基盤の拡大を目指しており、これが売上成長に寄与することが期待されている。
EBITDAは761百万円を見込んでおり、営業利益は2020年12月期以来の黒字化を達成する見通しである。
利益創出を念頭に置いた体制の構築を進めることで、引き続き高い成長率の維持と収益性の改善を両立させる。
この戦略の一環として、フリープランの提供内容の改定や有料プランへの機能追加を進めており、これにより課金ID数の増加が期待される。
また、BPaaS事業における顧客拡大も売上の変動要因として影響を与えると考えられている。
なお親会社株主に帰属する当期純利益のマイナスについては、会計上のグループ通算制度によるものである。
2. トピックス
2024年12月期のトピックスは以下のとおりである。
(1) 業績予想の修正
同社は2024年12月期の進行に伴い、業績予想を1つの確定値に修正した。
売上高については、前回公表されたレンジ内である8,430百万円と見込まれており、これは前期比で30.0%の成長を示している。
広告宣伝費及び人件費の効率化が進み、EBITDAや営業利益も前回の業績予想を大幅に上回る見通しである。
効率的なコスト管理が奏功し、利益面での上振れ期待が生じていることから、会社の経営効率の向上が着実に反映されていると言える。
(2) フリープランの改定と有料プランの機能追加
同社は2024年8月29日より、ビジネスチャットツール「Chatwork」のフリープランに関して提供内容を大幅に改定した。
これはユーザーのアクティビティデータを分析した結果を基に、サービスをより利用しやすくし、活用度の高いユーザーを有料プランに移行させることを狙った施策である。
この改定は、無料ユーザーから有料ユーザーへの転換率を高め、収益を強化するための戦略的な一手と言える。
課金ID数については、2023年7月に実施した価格改定の影響で一時的に解約が生じたが、これらが一巡した現在、純増数は大幅に増加している。
この傾向は、今後の安定的な収益基盤の拡充を意味し、同社の収益性がさらに高まることが期待される。
また、有料プランに対しても顧客からの要望が高かった機能の追加が順次行われる予定であり、2024年11月には「自分宛て一覧機能」と「予約送信機能」が実装された。
この機能追加により、ユーザーの満足度向上だけでなく、サービスの価値を高め、より多くのユーザーが有料プランに移行することを促進する。
このようなバリューアップ戦略は、課金ID数の増加とARPUの向上を目指す同社にとって、重要な成長ドライバーとなると弊社では見ている。
(3) 外部パートナーとの提携の加速
2024年9月25日、同社グループのkubellパートナーは、ふくおかフィナンシャルグループ (TYO:8354)と顧客紹介に関する協定を締結したことを発表した。
この協定により、ふくおかフィナンシャルグループ傘下の(株)福岡銀行、(株)熊本銀行、(株)十八親和銀行、(株)FFGビジネスコンサルティングの顧客に対してBPaaSサービス「Chatwork アシスタント」の提供が開始される。
今後も外部パートナーとの連携を強化し、リーチできる顧客層を拡大することで、新規顧客の獲得及びサービスの普及に向けた取り組みが期待される。
また10月、クラウド郵便サービス「atena(アテナ)」を提供するatena(株)との業務提携契約を締結したことを発表している。
これにより、郵便物の受領、PDF化、管理・共有をクラウド郵便サービス「atena」上で行うことができ、ユーザーの業務負荷を減らすだけでなく、業務完了までの時間短縮が可能となる。
加えて、atenaが提供するオフライン事務代行サービス「atena 事務代行」との連携で、「Chatwork アシスタント」では対応が難しかった郵便物の発送や契約書の押印といった業務にも対応範囲が拡がり、今後のサービス拡張が期待される。
(4) カルチャーデックのリリース
同社では、規模の急拡大及びBPaaS事業の展開に伴い、社内のミッション・ビジョン・バリューの浸透に注力している。
従業員がミッション「働くをもっと楽しく、創造的に」を体現できるよう、行動指針を解説したカルチャーデック「kubell COMPASS」がリリースされた。
従業員の価値観を尊重しつつ、組織としての一体感を強化することで、優秀な人材の獲得とリテンションを目指す姿勢が明確に示されている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)