飯野海運 (T:9119)は1月31日、2019年3月期第3四半期(18年4月-12月)連結決算を発表した。
売上高が前年同期比4.2%増の635.08億円、営業利益が同7.5%減の43.29億円、経常利益が同6.0%増の45.13億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同25.2%増の51.74億円となった。
外航海運業の売上高は前年同期比4.7%増の485.75億円、営業利益は同32.5%減の11.15億円となった。
オイルタンカーは支配船腹を中長期契約に継続投入し、安定収益を確保した。
ケミカルタンカーは、市況低迷の影響を受け運航採算は悪化したが、基幹航路である中東域から欧州向け及びアジア向けの数量輸送契約に加え、北アフリカからの燐酸液やインド西岸出しのケミカル貨物を積極的に取り込むことで、安定した稼働を維持した。
また、同社最大船型となるケミカルタンカーを新たに投入し採算改善に努めた。
同社と米国オペレーターとの合弁事業会社では、数量輸送契約やスポット貨物の集荷により稼働を維持した。
プロダクトタンカーは、市況低迷の影響を抑えるべく、第2四半期中に運航船1隻を処分し、採算の改善に努めた。
大型ガスキャリアは、LPGキャリア及びLNGキャリア共に既存の中長期契約へ継続投入することで安定収益を確保した。
ドライバルクキャリアは石炭専用船とチップ専用船については順調に稼働した。
ポストパナマックス船は市況上昇のタイミングを捉えた配船や数量輸送契約に投入した他、新規の専航船契約を締結する等、安定収益の確保に努め、運航採算は大幅に改善した。
ハンディ船は市況が横ばいから軟調に推移したが、数量輸送契約への投入を中心に効率的な配船・運航に努め、運航採算は向上した。
内航・近海海運業の売上高は前年同期比4.0%増の70.15億円、営業利益が同47.1%増の7.39億円となった。
内航ガス輸送は、安全運航への高い評価を得たことや荷主に船員雇用対策費用の負担を求めた結果、契約の有利更改に至り、採算を維持することができた。
近海ガス輸送は、東南アジアの荷動きは軟調だったが、定期用船契約を基に安定した採算を維持することができた。
不動産業の売上高は前年同期比1.4%増の80.18億円、営業利益は同2.1%減の24.76億円となった。
賃貸ビルは、所有する各ビルにおいて良質なテナントサービスの提供に注力し、順調な稼働を維持した。
また、新橋田村町地区市街地再開発事業では、地下解体が完了、新築建物の基礎工事に着手しており、概ね計画通りに建築工事が進捗した。
イイノホール&カンファレンスセンターは、セミナー、講演会、映画試写会、その他催事の積極的な誘致により、稼働の維持に努めた。
スタジオ関連事業を行うイイノ・メディアプロは、主力のスタジオ部門、ロケーション、レタッチ部門での稼働が堅調に推移した。
2019年3月期通期については、同日、業績予想の修正を発表した。
売上高が前期比3.3%増(前回予想比1.2%減)の840.00億円、営業利益が同9.7%減(同10.5%減)の51.00億円、経常利益が同10.1%減(同12.1%減)の51.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同15.5%増(同26.9%減)の49.00億円としている。
また、創立120周年記念配当の実施及び期末配当予想の修正(増配)も発表した。
期末配当金において、1株当たり5.00円00銭の記念配当を実施。
これにより、19年3月期の期末配当は1株当たり10.00円(普通配当5.00円及び記念配当5.00円)とし、中間配当と合わせた年間配当金額は1株当たり15.00円を見込んでいる。