■要約
RS Technologies (TYO:3445)は半導体の主要部材であるシリコンウェーハの再生加工を主力事業として展開し、メインサイズの12インチ(300mm)及び8インチ(200mm)再生ウェーハで世界シェア約33%(同社推計)とトップに立つ。
また、2018年から中国でプライムウェーハの一貫製造販売事業に進出したほか、2022年12月期より関連会社で12インチ再生ウェーハの生産を開始する予定となっている。
第3の収益柱として半導体製造装置用消耗部材事業の育成にも注力している。
1. 2021年12月期業績は半導体市場の活況を受け2ケタ増収増益に
2021年12月期の連結業績は、売上高で前期比35.4%増の34,620百万円、営業利益で同51.8%増の6,874百万円と大幅増収増益となり、いずれも過去最高を更新した。
旺盛な半導体需要を背景にウェーハ再生事業が好調に推移したほか、プライムウェーハシリコン製造販売事業(以下、プライムウェーハ事業)も新工場の稼働本格化により、大きく伸長したことが主因だ。
特別損失として株式報酬費用1,404百万円※を計上したため、親会社株主に帰属する当期純利益は同17.0%増の3,303百万円となった。
※中国子会社の株式上場準備に伴って一部株式を社員持株会に譲渡したことに伴い、公正価値との差額分を株式報酬費用として計上している。
実際のキャッシュアウトはない。
2. 2022年12月期業績計画は保守的な印象で上振れ余地あり
2022年12月期は売上高で前期比8.0%増の37,400百万円、営業利益で同10.6%増の7,600百万円、経常利益で同0.8%増の8,900百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同45.3%増の4,800百万円を計画している。
半導体市場の拡大を背景に、ウェーハ再生事業、プライムウェーハ事業、半導体関連装置・部材等事業ともに増収増益を見込んでいる。
プライムウェーハ事業では8インチウェーハの認証取得が第2四半期までに完了する見込みで、さらなる収益拡大が期待される。
経常利益の伸びが小幅にとどまるのは、中国新工場移転に伴う補助金収入の減少による。
ただ、前期に計上した特別損失がなくなるため、親会社株主に帰属する当期純利益は大幅増益となり4期ぶりに過去最高益を更新することになる。
年明け以降も受注は好調で、為替レートも会社前提※に対して円安で推移していることから、今後半導体需要が急失速するような状況とならなければ、業績は会社計画を上振れする可能性が高いと弊社では見ている。
※2022年12月期の為替前提レートは110円/USD、17円/RMB、3.8円/NTD。
1円/USDの円安で年間20~30百万円の営業利益の増加要因となる。
3. 半導体市場を上回るペースで成長を目指す
同社は中期経営計画の最終年度となる2025年12月期に売上高45,000百万円、営業利益10,000百万円の目標を掲げている。
4年間の年平均成長率は売上高で6.8%、営業利益で9.8%となる。
前提となる半導体市場の成長率は年率5%としており、市場平均を上回る成長を目指している。
主力3事業ともに売上高を伸ばし、プライムウェーハ事業と半導体製造装置用消耗部材事業については収益性向上も見込んでいる。
なお、連結子会社の有研半導体硅材料股フン公司(以下、GRITEK)は、科創板市場への上場申請を行っており、審査が順調に進めば2022年夏頃の上場が見込まれるが、上場後も連結対象子会社を維持する方針だ。
また、GRITEKの持分法適用関連会社の山東有研RS半導体材料有限公司(以下、SGRS)※は、2022年12月期第2四半期より12インチ再生ウェーハの出荷を開始し、2023年以降に12インチプライムウェーハの量産を開始する計画となっている。
当面の連結業績への影響は軽微だが、12インチプライムウェーハの収益化の目途が立った段階で連結対象子会社として組み入れる意向となっている。
中国は国策として半導体産業を育成していく方針を示しており、今後も中国内で半導体生産が拡大していくことを考えれば、中長期的な成長ポテンシャルは大きいと言えるだろう。
※GRITEKが19.99%を出資している。
同社の連結業績には、SGRSの純利益の約9%が持分法投資損益として計上されることになる。
■Key Points
・旺盛な半導体需要を背景に、2021年12月期業績は会社計画を上回る増収増益を達成
・受注は引き続き好調、円安効果もあり2022年12月期業績は会社計画を上回る可能性
・2025年12月期に売上高450億円、営業利益100億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
RS Technologies (TYO:3445)は半導体の主要部材であるシリコンウェーハの再生加工を主力事業として展開し、メインサイズの12インチ(300mm)及び8インチ(200mm)再生ウェーハで世界シェア約33%(同社推計)とトップに立つ。
また、2018年から中国でプライムウェーハの一貫製造販売事業に進出したほか、2022年12月期より関連会社で12インチ再生ウェーハの生産を開始する予定となっている。
第3の収益柱として半導体製造装置用消耗部材事業の育成にも注力している。
1. 2021年12月期業績は半導体市場の活況を受け2ケタ増収増益に
2021年12月期の連結業績は、売上高で前期比35.4%増の34,620百万円、営業利益で同51.8%増の6,874百万円と大幅増収増益となり、いずれも過去最高を更新した。
旺盛な半導体需要を背景にウェーハ再生事業が好調に推移したほか、プライムウェーハシリコン製造販売事業(以下、プライムウェーハ事業)も新工場の稼働本格化により、大きく伸長したことが主因だ。
特別損失として株式報酬費用1,404百万円※を計上したため、親会社株主に帰属する当期純利益は同17.0%増の3,303百万円となった。
※中国子会社の株式上場準備に伴って一部株式を社員持株会に譲渡したことに伴い、公正価値との差額分を株式報酬費用として計上している。
実際のキャッシュアウトはない。
2. 2022年12月期業績計画は保守的な印象で上振れ余地あり
2022年12月期は売上高で前期比8.0%増の37,400百万円、営業利益で同10.6%増の7,600百万円、経常利益で同0.8%増の8,900百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同45.3%増の4,800百万円を計画している。
半導体市場の拡大を背景に、ウェーハ再生事業、プライムウェーハ事業、半導体関連装置・部材等事業ともに増収増益を見込んでいる。
プライムウェーハ事業では8インチウェーハの認証取得が第2四半期までに完了する見込みで、さらなる収益拡大が期待される。
経常利益の伸びが小幅にとどまるのは、中国新工場移転に伴う補助金収入の減少による。
ただ、前期に計上した特別損失がなくなるため、親会社株主に帰属する当期純利益は大幅増益となり4期ぶりに過去最高益を更新することになる。
年明け以降も受注は好調で、為替レートも会社前提※に対して円安で推移していることから、今後半導体需要が急失速するような状況とならなければ、業績は会社計画を上振れする可能性が高いと弊社では見ている。
※2022年12月期の為替前提レートは110円/USD、17円/RMB、3.8円/NTD。
1円/USDの円安で年間20~30百万円の営業利益の増加要因となる。
3. 半導体市場を上回るペースで成長を目指す
同社は中期経営計画の最終年度となる2025年12月期に売上高45,000百万円、営業利益10,000百万円の目標を掲げている。
4年間の年平均成長率は売上高で6.8%、営業利益で9.8%となる。
前提となる半導体市場の成長率は年率5%としており、市場平均を上回る成長を目指している。
主力3事業ともに売上高を伸ばし、プライムウェーハ事業と半導体製造装置用消耗部材事業については収益性向上も見込んでいる。
なお、連結子会社の有研半導体硅材料股フン公司(以下、GRITEK)は、科創板市場への上場申請を行っており、審査が順調に進めば2022年夏頃の上場が見込まれるが、上場後も連結対象子会社を維持する方針だ。
また、GRITEKの持分法適用関連会社の山東有研RS半導体材料有限公司(以下、SGRS)※は、2022年12月期第2四半期より12インチ再生ウェーハの出荷を開始し、2023年以降に12インチプライムウェーハの量産を開始する計画となっている。
当面の連結業績への影響は軽微だが、12インチプライムウェーハの収益化の目途が立った段階で連結対象子会社として組み入れる意向となっている。
中国は国策として半導体産業を育成していく方針を示しており、今後も中国内で半導体生産が拡大していくことを考えれば、中長期的な成長ポテンシャルは大きいと言えるだろう。
※GRITEKが19.99%を出資している。
同社の連結業績には、SGRSの純利益の約9%が持分法投資損益として計上されることになる。
■Key Points
・旺盛な半導体需要を背景に、2021年12月期業績は会社計画を上回る増収増益を達成
・受注は引き続き好調、円安効果もあり2022年12月期業績は会社計画を上回る可能性
・2025年12月期に売上高450億円、営業利益100億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)