[上海 15日 ロイター] - 中国建設銀行(CCB)は15日、600億元(89億ドル)の債券発行を開始した。中国の各行は規制強化や景気支援に向けた政府の呼びかけに応じて資本増強を進めている。
格付け大手フィッチ系の恵誉博華によると、1─5月に中国工商銀行(ICBC)や中国銀行(BOC)などの国内銀行が発行した劣後債の総額は約4000億元で、前年同期比42%増となった。
中国の金融緩和により金利が低下しているほか、株式発行による資本調達はほとんどの銀行が簿価を大幅に下回って取引されているため考えにくいことから、こうした大規模な債券発行につながっている。
CCBは、2023年末までにさらに600億元相当のこうした債券発行を予定しているほか、これとは別に中国で最大1000億元相当の永久債を、また海外市場で最大30億ドル相当の債券を追加で発行する予定だ。
恵誉博華は債券発行の急増は「商業銀行が自己資本比率を安定させるための準備と努力を進めている」ことを示していると指摘。22年後半に融資が拡大すると予想している。