16日の香港市場は値上がり。
主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比6.36ポイント(0.02%)高の28275.07ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が7.48ポイント(0.07%)高の10811.62ポイントとそろって小幅続伸した。
売買代金は949億8900万香港ドルとなっている(15日は961億1900万香港ドル)。
中国の景気テコ入れ策強化の期待が高まる流れ。
4月の経済指標が予想以上に前月から減速した実態が15日に公表されるなか、景気の早期回復は難しいとの見方が広がっている。
本土株高も相場の支えとなった。
もっとも、上値は重い。
ハイテク分野での米中対立が警戒されている。
米商務省は15日、中国通信機器メーカー大手の華為科技(ファーウェイ)とその関連会社を産業安全保障局(BIS)のエンティティリスト(米国からの輸出を規制する対象リスト)に追加すると発表した。
ハンセン指数の構成銘柄では、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)が5.9%高、乳製品メーカー中国大手の中国蒙牛乳業(2319/HK)が5.6%高、香港系不動産の恒隆地産(101/HK)が3.7%高と上げが目立った。
医薬品株に関しては、バイオ製薬会社の億勝生物科技(1061/HK)がMSCI中国小型株指数に採用決定されたことをきっかけに、同セクターへの注目度が増したとみられている。
億勝生物株は4.2%上昇した。
業種別では、食品・飲料や小売など消費関連が高い。
上記した中国蒙牛乳業のほか、統一企業中国HD(220/HK)が2.1%、中国旺旺HD(151/HK)が1.8%、国美零售HD(493/HK)が2.6%、北京京客隆商業集団(814/HK)が2.0%ずつ上昇した。
希土類・非鉄やセメントなど素材セクターも物色される。
希土類製品・耐火材大手の中国稀土HD(チャイナ・レア・アース:769/HK)が25.8%高、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が4.4%高、中国建材(3323/HK)が2.0%高、安徽海螺セメント(安徽コンチセメント:914/HK)が1.5%高で引けた。
中国稀土については、相場の先高観が支援材料。
中国がミャンマーからのレアアース輸入を突然停止したことにより、目先の需給がひっ迫すると見込まれている。
半面、スマートフォンや第5世代(5G)ネットワーク関連、半導体などハイテク関連セクターはさえない。
舜宇光学科技(2382/HK)が5.1%安、瑞声科技HD(2018/HK)が2.9%安、中興通訊(ZTE:763/HK)が6.1%安、華虹半導体(1347/HK)が3.1%安と値を下げた。
他の個別株動向では、インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が2.2%安と反落している。
同社は昨日引け後に1~3月期決算を発表。
純利益は前年同期比で17%増加し、市場予想を上回った。
ただ、増収率は上場来の最低に落ち込んだという。
成長鈍化が懸念された。
一方、本土市場は続伸。
主要指標の上海総合指数は、前日比0.58%高の2955.71ポイントで取引を終えた。
素材株が高い。
不動産株、消費関連株、自動車株、発電株、インフラ関連株なども買われた。
半面、ハイテク関連は値下がりしている。
【亜州IR】