[ジュネーブ 16日 ロイター] - 難航している世界貿易機関(WTO)の食料、漁業、ワクチンに関する交渉は16日未明まで続いた。インドの強硬姿勢に直面し、合意できるかどうか懐疑的な見方が強まっている。
今週開催されている閣僚会議では、新型コロナウイルス対策、漁業補助金の削減、食料安全保障、WTO改革で合意を目指している。
関係筋は「まだ成果は一つもない」と説明。パキスタン商務相は先にロイターに対し、WTOは「成果がない閣僚会議」に向かっているとの認識を示した。
一方、WTOの広報担当者は、大きな進展があり、合意にはそれほど遠くないと述べ、より明るい見方を示した。
15日まで予定されていた会議は、既に16日まで1日延長されている。米当局者は通商代表部(USTR)のタイ代表が午前中に当地を離れると確認。今後数時間のうちに合意に至る必要があるという圧力を強めている。
WTOはコンセンサスによって決定を下すため、一国でも反対すれば合意は頓挫する。
ある外交筋は「インドが草案の文言にさらに異議を唱えたため、交渉がまとまるかどうかはまだ分からない」と語った。