[ストックホルム 13日 ロイター] - スウェーデンのリンデ外相は13日、同国が北大西洋条約機構(NATO)に加盟することで国家の安全保障を高め、北欧・バルト地域の安定につながると強調した。前日には隣国フィンランドが、米国が主導する主導のNATOに遅滞なく加盟することを目指すと表明していた。
ロシアのウクライナ侵攻が、スウェーデンとフィンランドのNATO加盟を後押しした。
スウェーデンはフィンランドに続き、早ければ16日にもNATO加盟を申請すると見込まれている。
リンデ氏はNATO加盟の是非を検討した全党の安全保障の検討結果を発表した際、記者団に対して「スウェーデンのNATO加盟は軍事衝突の敷居を上げ、北欧での紛争を予防する効果がある」と訴えた。
「スウェーデンがNATO加盟した場合の最も重要な帰結は、スウェーデンがNATOの集団安全保障の一部となり、第5条による安全保障に含まれることだ」とも指摘した。
NATO条約第5条は、NATOのいずれかの国への攻撃は全ての国への攻撃と見なされると定めている。
スウェーデンとフィンランドは長期にわたりNATOと密接な関係にあり、定期的に演習や幹部級の会合に参加している。だが、安全保障の対象にはなっていない。
スウェーデン政府は、検討結果はNATO加盟を推奨するものではないと説明した。左翼党と緑の党だけが検討結果を支持しなかった。加盟申請には全てのNATO加盟国の承認と、スウェーデン議会の承認が必要となる。
一方、トルコのエルドアン大統領は13日、フィンランドとスウェーデンのNATO加盟をトルコとしては支持できないとの見解を示した。両国が「多くのテロ組織の本拠地」になっているためとした。
リンデ氏は、ベルリンで今週末に開かれるNATO外相の非公式会合にスウェーデンとフィンランドも参加し、自身も状況について議論する予定だと述べた。
フィンランドとスウェーデンがNATOに加盟した場合、北欧の地政学的な地図を塗り替え、北極から黒海にかけて加盟国がロシアと相対することになる。