英国のメイ首相と、カーニー英中央銀行総裁は31日、会談を行った。
メイ首相は英国中銀のカーニー総裁が中央銀行のリーダーとして最適な人材として支持する方針を表明。
カーニー総裁もまた31日、任期を1年延長し2019年6月末まで留任する意向をハモンド財務相に伝えた。
欧州連合(EU)離脱の対応を支援していく。
カーニー英中央銀行総裁は、すでに辞任したキャメロン前首相と同様、英国のEU離脱による経済への悪影響を指摘するなど、独立機関とされる中央銀行が政治的に傾斜していると離脱派議員から非難を浴び、辞任に追い込まれるとの懸念も一時強まった。
また、メイ首相も、英国のEU離脱決定の影響を鑑み8月の早い段階で利下げに踏み切った英国中銀の緩和策を間接的に批判していたため、カーニー総裁が当初公約していたとおり2018年半ばで退任するとの思惑も浮上するなど、その去就に注目が集まっていた。
英国中央銀行は3日に金融政策決定会合を予定している。
カーニー氏はすでに、今回の金融政策決定にあたり「ポンド安を考慮する」方針を示している。
2%目標の超過にも限度があると発言するなど、ポンド安による物価上昇を警戒する発言もした。
このため、今回の会合では利下げは見送られると見られている。
最近発表された指標はポンド安が輸出を押し上げ、7−9月期国内総生産(GDP)は前期比+0.5%と、伸びは4−6月期から鈍化したものの市場予想は上回った。
9月の消費者物価指数も予想を上回った。
この結果を受けて、中央銀行が同時に発表するインフレ報告の中で、国内総生産(GDP)やインフレ見通しが引き上げられる見込み。
短期的にポンドが上昇する局面も見られる可能性がある。
一方、ポンド安にもかかわらず、中央銀行は依然緩和方針で、12月には追加利下げに踏み切るとの見方も根強く、中長期的なポンド安は継続する可能性がある。