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欧米為替見通し:ドル・円は上げ渋りか、ユーロ買いによるドル売りで下押しも

発行済 2017-06-12 17:25
更新済 2017-06-12 17:34
欧米為替見通し:ドル・円は上げ渋りか、ユーロ買いによるドル売りで下押しも
今日の欧米外為市場では、ドル・円は上げ渋る値動きを予想したい。
今週開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げがほぼ確実視され、米長期金利の上昇を背景にドルに買いが入りやすい見通し。
ただ、フランスのマクロン政権の支持基盤が強固になったことによる安心感から、ユーロ買いによるドル売りに押される可能性もあろう。


米連邦準備制度理事会(FRB)は13-14日開催のFOMCで、政策金利を現行0.75-1.00%から1.00-1.25%に引き上げる公算。
CMEグループが算出するFedウォッチではほぼ100%利上げが織り込まれたもよう。
米国10年債利回りは今年の最低水準まで落ち込んでいるものの、足元では利上げ観測を背景に2.2%台まで持ち直しており、ドルに買いが入りやすい地合い。


目先のドル・円の値動きについて、ある短期筋は「FOMCまでは売りにくいが、FRBの政策決定後はドル売りに転じる」との見方を示す。
ただ、イエレンFRB議長会見などで資産買入れ方針の縮小に思惑が広がれば、「ドルはそれほど下げない」と指摘している。


一方、11日に行われたフランス国民議会選挙(577議席)の結果を受け、今晩はユーロ買いがドルの重石になる可能性もあろう。
同議会選は小選挙区制で実施され、当選するには1回目の投票で過半数を獲得する必要があり、当選者が出ない場合は上位の候補者による18日の決選投票で確定する。


地元メディアなどによると、マクロン大統領が旗揚げした中道政党「共和国前進」の獲得議席は400超と3分の2に達する勢い。
5月に発足したばかりのマクロン大統領の支持基盤が固まれば、欧州政治リスクがさらに後退し、ドイツとともにユーロ圏経済をけん引するとの期待から、ユーロの買い戻し余地が生まれるだろう。
その影響で、ドル・円は上値が押さえられる展開となりそうだ。
(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・00:30 米財務省3年債入札(240億ドル)
・02:00 米財務省10年債入札(200億ドル、リオープン)
・03:00 米・5月財政収支(予想:-870億ドル、16年5月:-525億ドル)

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