19日の香港市場は小幅に値上がり。
主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比57.27ポイント(0.19%)高の29466.28ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が11.83ポイント(0.10%)高の11686.66ポイントとそろって4日続伸した。
ハンセンは約9カ月ぶりの高値水準を切り上げている。
売買代金は993億2800万香港ドルにやや縮小した(18日は1168億9100万香港ドル)。
企業業績の改善が好感された。
香港で主要企業の決算報告が本格化するなか、増益や黒字転換を明らかにする企業が相次いでいる。
戻り待ちの売り圧力を意識し、指数はマイナス圏で推移する場面がみられたものの、引けにかけて再び買いの勢いが増した。
ハンセン指数の構成銘柄では、ブタ肉生産で世界トップの万洲国際(WHグループ:288/HK)が5.5%高、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)が5.1%高、医薬品メーカーの石薬集団(1093/HK)が3.3%高、不動産デベロッパーの碧桂園HD(2007/HK)が2.9%高と上げが目立った。
万洲国際に関しては、足元の豚肉値上がりで業績が上向くとの期待感が強まっている。
石薬集団と碧桂園は、通期業績の増益が引き続き材料視された。
このほか、増益決算を発表した銘柄では、心臓・脳血管薬で国内最大手の四環医薬HD集団(460/HK)が10.5%高、電子書籍ストア運営の閲文集団(772/HK)が8.3%高、有料道路運営の浙江滬杭甬高速公路(浙江高速道路:576/HK)が7.1%高、発電設備メーカーの東方電気(1072/HK)が2.5%高と上昇した。
通信キャリア大手の中国電信(728/HK)は1.6%高。
昼に公表した決算の内容が好感された。
原子力発電の関連銘柄も軒並み高。
中広核鉱業(1164/HK)が13.4%、中国広核電力(1816/HK)が3.2%、中国広核新能源HD(1811/HK)が1.6%ずつ値を上げた。
中国では約3年ぶりに、原子力発電所の建設プロジェクトが着工許可される見通し。
巨額投資による景気の浮揚、国家エネルギー安全保障の強化が狙いとみられる。
中国政府は「原子力発電中長期発展計画」を策定済み。
原子力プラントの稼働総容量を2020年に5800万キロワットにまで高める計画で、目標をクリアするために必要な投資額は総額6000億人民元(約9兆9600億円)に上ると試算された。
半面、金融セクターの一角は売られる。
第一上海投資(227/HK)が3.0%安、申万宏源(218/HK)が2.2%安、海通証券(6837/HK)が1.3%安、招商銀行(3968/HK)が1.2%安で引けた。
一方、本土市場は3日ぶり反落。
主要指標の上海総合指数は、前日比0.18%安の3090.98ポイントで取引を終えた。
消費関連株が安い。
資源・素材株、医薬品株、不動産株、インフラ建設関連株、銀行・証券株なども売られた。
半面、原発関連株は急伸。
ハイテク株、保険株の一角も買われた。
【亜州IR】