Howard Schneider
[ヨーク(米ペンシルベニア州) 2日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は2日、東部ペンシルベニア州ヨークを訪れ、インフレに苦しむ地元の経営者など市民から「老後に蓄えた資金がない」「景気の先行きが見えず経営が苦しい」との悲鳴を聞き取った。
対話の中でパウエル議長は、FRBは家計の置かれた厳しい状況を重く受け止めていると指摘。景気の下支えや労働市場の保護、インフレ収束に必要と思われる措置を断行していると答えた。その上で「物価安定の回復に重点を置いている」と述べ、物価抑制が健全な経済と力強い労働市場につながるとの従来の公式見解を強調した。
パウエル議長は新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)が起きた2020年以降、CBSテレビの報道番組「60ミニッツ」に出演するなど国民とのコミュニケーションを深める努力をしている。
フィラデルフィアから約160キロ西方にあり、かつて製造業で栄えたヨークでフィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁とともに行った今回の対話は、より近い距離で市民から利上げがもたらす影響を巡る生の声を拾い集める機会になった。