[ソウル 16日 ロイター] - 金融規制当局の韓国金融委員会(FSC)は16日、株式空売り規制について、個人投資家受けの規制を緩和する一方、機関投資家受けの規制を強化する方針を示した。市場の「公平な競争環境」を促進するのが目的と説明した。
韓国政府は今月、株式の空売りを禁止した。
FSCによると、個人投資家が株式を借りる際に担保として要求される現金の比率を現在の120%から105%に引き下げ、機関投資家の比率と同じにする。
一方、機関投資家に対しては、空売りのための株式借り入れについて個人投資家向けと同様に最長90日という上限を課す。
FSCは違法取引を防止するための規則と共に今回の措置案を発表。議会での審議などを経て最終的に内容が固まるという。
地元メディアによると、FSCは規制が十分に改善されるまで株式の空売りは禁止されると説明した。
韓国では株式取引で個人の裾野が広がっている。個人の取引口座は約1400万口座で2017年から倍増し、今や国民の5人に1人が株に投資していることになる。
ユージン投資証券のアナリスト、Huh Jae-hwan氏は、個人投資家向けの規制がより厳しいのは投資家保護という観点に基づくとし、公平なルールが個人投資家の恩恵になるかは分からないと指摘。個人が機関投資家並みに空売りができるようになれば、空売りが増えるだろうとの見方を示した。