[ロンドン 12日 ロイター] - 英国の新型コロナウイルス感染症による死者が、その疑いのあるケースも含めて5月初めの時点で3万8000人を超えたことが分かった。欧州諸国の中で群を抜いて最悪の数字で、ジョンソン首相の新型コロナ対策を批判する声が高まりそうだ。
英国立統計局(ONS)が公表したイングランドおよびウェールズでの新型コロナによる死者数に、スコットランドや北アイルランドのデータなどを加えてロイターが算出した死者数は5月3日時点で合計3万8289人となった。1週間で6000人近く増えた。
数え方が異なるために諸外国との比較は難しいが、英国の死者数は世界全体と比較しても目立って多い。
ジョンソン首相は10日、新型コロナ感染防止のために約7週間前に導入した外出制限を慎重に緩和する計画を発表したばかり。多数の死者が出ていることで、首相の新型コロナ対策を批判する声があらためて高まりそうだ。
ONSのデータによると、特に介護施設で多くの犠牲者が出ている。イングランドとウェールズでは、新型コロナによる死者の3分の1が介護施設で死亡している。ONSの統計学者、ニック・ストライプ氏はBBCテレビに対し「悲しいことに、介護施設の死者数は最も減り方が鈍い」と語った。