[上海 27日 ロイター] - 中国国家統計局が27日に発表した8月の工業部門企業利益は、前年同月比19.1%増の6128億1000万元(898億ドル)となり、4カ月連続の増益を記録した。コモディティー(商品)価格や機器製造部門の回復などが利益を押し上げた。
中国経済は新型コロナウイルスの流行で打撃を受けたが、その後は落ち込んでいた部分の需要、景気刺激策、予想外に底堅い輸出を背景に、景気の回復が進んでいる。
工業部門企業利益は、7月も19.6%増加していた。
ただ、米中関係の緊迫化を受けて世界貿易の先行き不透明感が高まる中、工業部門企業の収益は国外要因により圧迫される可能性がある。
8月の原材料部門の利益は前年比32.5%増加。7月は14.7%増だった。統計局高官によると、原油や鉄鉱石など商品価格が回復したことが、原材料部門の増益の一因となっている。
一般機器製造部門の利益は前年比37%増加。電気機器部門は13.3%増益となった。
貿易統計や生産者物価、鉱工業生産など8月の各種経済指標は全て、工業部門の一段の回復を示す数字となった。
ただ、中小企業がさえない需要や財務状況の悪化に直面するなか、工業部門の生産活動は伸び悩んでいる。
中国政府は、景気回復を後押しするため、減税や手数料の引き下げ、債務返済猶など様々な措置を講じている。
1─8月の工業部門企業利益は前年比4.4%減の3兆7200億元。1─7月は8.1%減だった。
8月末時点の工業部門企業の負債は前年比6.6%増。7月末は6.5%増だった。
国有企業の1─8月利益は前年比17%減少。1─7月は23.5%減だった。
民間部門の1─8月利益は前年比3.3%減、1─7月は5.3%減だった。 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20200927T225453+0000