[香港 30日 ロイター] - 中国不動産開発会社の世茂集団が株式の私募発行を計画していることが29日夜に提出した書類で明らかになった。
世茂の株価は30日の上海市場で値幅制限いっぱいの9.9%高となった。
資金調達目標は現在の資本の30%を超えないとしている。30日の時価総額113億元(15億8000万ドル)に基づくと、調達額は最大4億7400万ドルになる可能性がある。
中国当局は過去数週間、不動産会社の支援を強化し流動性の逼迫(ひっぱく)緩和に努めている。29日には上場不動産会社の株式公募による資金調達を解禁した。
世茂は私募により35の投資家から資金を調達する計画とし「資本構造を改善し、流動性の問題を緩和し、財務状況を安定させる」と説明した。
株式売却で得た資金は住宅購入者への物件引き渡しや、債務の返済、運転資金の補充に充てるとしている。
S&Pレーティングスのクレジットアナリスト、Renyuan Zhang氏はリサーチノートで、最近の中国当局の政策は住宅の引き渡しを確実にすると同時に、「良質な」企業を支援するという明確なメッセージを送っていると分析した。
「この政策は市場の信頼回復に役立つが、いつ、どのように、どの範囲で実施されるかに投資家は注意を払う必要がある」とし、全ての不動産開発業者が支援策の恩恵を受けるわけではないと指摘した。