[シドニー 14日 ロイター] - ニュージーランド(NZ)準備銀行(中央銀行)のホークスビー総裁補は14日、同国においてマイナス金利は現実にあり得ることであり、「脅し」ではないと述べた。
また、マイナス金利によって金融機関に問題が生じるという懸念は現時点で浮上していないとした。
豪シドニーで開かれたシティグループの会合にビデオで参加した同総裁補は、NZドルに下押し圧力をかけるためにマイナス金利の可能性に言及しているのかと問われ、「脅し」ではないと答えた。
特にオーストラリアではマイナス金利を巡り「懐疑的な見方が強い」ことを認識しているとした上で、NZ中銀当局者は政策手段としてマイナス金利を真剣に捉えていると述べた。
債務バブルなど金融安定リスクが伴うかとの質問に対しては、「極めて弱い」労働市場のほうが大きな懸念材料だと答えた。
政策金利をそれ以上引き下げてもさほど効果が得られない、金利の「実質的な下限」については、変化する概念であり、最終的には個人の預金の動向に左右されるとの見方を示した。
また、国内経済はこのところ予想を上振れしているものの、依然として先行き不透明感が強いため、金融政策は長期にわたって緩和的になると指摘。
「経済は依然として一定程度、生命維持装置につながれている」とし、「見通しを踏まえると、引き続き政策支援が必要だ」と述べた。