Howard Schneider David Lawder
[ベッセマー市(米ノースカロライナ州) 30日 ロイター] - イエレン米財務長官は30日、ノースカロライナ州を訪問し、連邦政府の税制優遇措置で実現した数千億ドル規模のクリーンエネルギー投資をアピールした。
電気自動車(EV)バッテリーの主要材料、水酸化リチウムの処理工場を視察した。
米中西部と南部に広がる「バッテリーベルト」は政権の戦略が奏功し、現在の低失業率と経済成長に寄与していることを示すものだとし、「特に新産業で国内製造能力を拡大すれば、全米で高賃金の中間層の雇用を創出し、これまで取り残されがちだった人々や地域に貢献することにつながる」と述べた。
昨年のインフレ抑制法(IRA)成立以降、EV・バッテリー分野で1420億ドル、クリーンエネルギー生産に710億ドルの投資が行われたとした。
国内でのリチウム採掘については、中国への依存を減らすため拡大を支持すると述べたが、環境面で適切な方法で行うべきとも指摘した。
製造業への投資などを追い風に第3・四半期の米経済は大きく成長したが、バイデン大統領は経済運営を巡り有権者の信頼を得るのに苦戦している。
イエレン氏は賃金上昇と新型コロナウイルス禍前の水準への物価下落によって、状況が徐々に改善していると国民が認識することを期待すると述べた。