■業績動向
1. 2022年12月期第2四半期累計の業績概要
ホットリンク (TYO:3680)の2022年12月期第2四半期累計の連結業績は、売上高3,385百万円(前年同期比28.4%増)、営業利益71百万円(同8.2%減)、税引前損失は90百万円(前年同期は217百万円の利益)、親会社の所有者に帰属する四半期損失は60百万円(同160百万円の利益)となった。
クロスバウンド事業やDaas事業が業績を牽引し、過去最高の売上高を更新した。
SNSマーケティング支援事業・クロスバウンド事業の双方において、外部環境の変化を主因として第1四半期比で鈍化するも、営業戦略が奏功し2ケタ増収となった。
クロスバウンド事業への先行投資による売上構成増加を要因として売上総利益率が前年同期比7.4ポイント減の27.8%へ低下したが、業務プロセスの自動化や、リファラル採用による採用コスト削減など、販管費コントロールを徹底することで営業黒字を確保した。
社内の広告運用のウォッチやレポーティングを自動化することで、一人当たりの受け持てる広告案件量が増加した。
販管費は877百万円(前年同期比2.8%増)、販管費率は前年同期の32.4%から25.9%へと大幅に低下した。
Web3関連投資が317百万円の評価損を計上し親会社の所有者に帰属する四半期損失は60百万円となるも、資産額は652百万円と出資額323百万円に対して2倍に増加した。
同社は短期的な目線ではなく、国内外の動向を綿密に調査したうえで中長期的な投資を行っている。
出資額に対して着実に資産は増加しており、投資事業を行う子会社Nonagon Capitalを設立するなど、ボラティリティに対して攻めと安定の両立を図る事業展開をしていることから、大きな懸念はないものと弊社では見ている。
成長投資と販管費コントロールにより、2020年12月期第3四半期から8四半期連続営業黒字を達成した。
先行投資を除いた平準コストは削減傾向にあり、収益性は明確に向上していると弊社は考える。
2. 事業別の動向
(1) SNSマーケティング支援事業
SNSマーケティング支援事業の売上高は前年同期比6.7%増の958百万円となった。
このうち、SNS広告・SNS運用コンサルティングサービスの売上高は同13.2%増の726百万円、SNS分析ツールの売上高は同9.6%減の231百万円となり、セグメント全体では計画どおりの着地となった。
SNS広告・SNS運用コンサルティングでは企業のSNS活用などの旺盛な需要の取り込みに成功し、2ケタ増収を達成した。
顧客売上高規模別では、年間売上20百万円以上の顧客が大きく増加した。
課題解決セミナーの実施によりリードを獲得し、同社サービスと親和性が高い企業に対する営業及びサービス提供に成功した。
また、各種コンテンツ制作が年末商戦・期末予算獲得に寄与した。
ストック契約の増加や顧客単価を上昇させる各種取り組みも奏功した。
一方で、円安を主要因とした原材料高に起因する顧客の販促費抑制が散見されたことから、Fintech及び通信・エネルギー分野など景況感に左右されない業種の比率を高めていく。
顧客ポートフォリオの拡充施策については、課題解決セミナーに参加する顧客は既に悩みや課題を抱えている企業が多く高い営業効率と成約率が期待できることから、引き続き課題解決セミナーの実施により獲得を目指す。
SNS分析ツールは、計画どおりの減収着地となった。
同事業は、市場成長率が低く競争が鈍い分野における高シェア事業に位置付けており、セグメント売上高と販管費のバランスを勘案しながら今後も継続していくとしている。
また、2022年7月にはビジュアル探索ツール「Pinterest」の広告運用代行サービスを開始した。
Instagram、TikTokに続くさらなる媒体拡大であり、同社が保有するソーシャルビッグデータとデータ分析力を生かした質の高いサービスが期待される。
「Pinterest」の月間アクティブユーザー数は4億人を突破しており、Z 世代・男性・ミレニアル世代が成長を牽引している。
同社にはPinterestアカウントをグロースさせた運用経験者も複数在籍しており、これらの知見を生かした以下のサービスを提供する。
1) Pinterestアド運用代行
Pinterestアドの専門チームが広告運用の初期設計や運用改善、レポーティングを代行する。
2) Pinterestに最適化した広告クリエイティブデザイン
SNS向けのクリエイティブに精通している同社のデザイナーチームが、クリエイティブデザインを代行する。
3) Pinterest活用支援コンサルティング
Pinterestアカウントをグロースさせた経験のあるアカウント運用担当チームが、Pinterest公式アカウント運用において重要なポイントをカリキュラムとして提供する。
Pinterestユーザーは、非ユーザーに比べて世帯年収600万円以上の層が1.2倍、SNSで製品を検索・購入する人の割合が2.8倍と、「購買力の高いユーザーが多い」という特徴がある。
そのため、有形ブランドや高価格帯商品の販促に有効であり、インテリア・アパレル・観光・食品・美容商材などの商材との親和性が高いと同社では考えている。
そのため、高価格商材の購買意欲が高いユーザーにリーチしたい企業や、既存媒体でのCPA高騰に悩んでいる企業対して高い訴求力を発揮することが期待される。
SNSマーケティング支援事業全体としては、大手との実績も増えており直近では以下のような実績を持つ。
・ ジンズホールディングス (TYO:3046)
Twitterを活用し、口コミ数約4倍及び指名検索数1.7倍と、ブランド力向上に貢献。
・ トリドールホールディングス (TYO:3397)
(丸亀製麺)Twitterを活用し、集客支援。
再売り出しメニューの初速販売数1.9倍に貢献。
(コナズ珈琲)Instagramを活用し、フォロワー数を2倍に。
・ (株)シャトレーゼ
Twitterを活用し、Twitterフォロワー35万人超を獲得し、店舗売上の増加に貢献。
・ ミルボン (TYO:4919)
TwitterとInstagramを活用し口コミ数を6倍に。
インスタライブ配信を支援し、45万視聴の反響。
・ ジョンソンヴィル・ジャパン(合)
TwitterとInstagramを活用して口コミ数を9倍にし、口コミ数に比例し売上の増加に貢献。
そのほか、乳製品、ビール、自動車メーカーなど多数の実績があり、大手との取引実績の積み上がりを通じて同社の業界内での信用度はさらに高まるものと弊社では考える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 欠田耀介)
1. 2022年12月期第2四半期累計の業績概要
ホットリンク (TYO:3680)の2022年12月期第2四半期累計の連結業績は、売上高3,385百万円(前年同期比28.4%増)、営業利益71百万円(同8.2%減)、税引前損失は90百万円(前年同期は217百万円の利益)、親会社の所有者に帰属する四半期損失は60百万円(同160百万円の利益)となった。
クロスバウンド事業やDaas事業が業績を牽引し、過去最高の売上高を更新した。
SNSマーケティング支援事業・クロスバウンド事業の双方において、外部環境の変化を主因として第1四半期比で鈍化するも、営業戦略が奏功し2ケタ増収となった。
クロスバウンド事業への先行投資による売上構成増加を要因として売上総利益率が前年同期比7.4ポイント減の27.8%へ低下したが、業務プロセスの自動化や、リファラル採用による採用コスト削減など、販管費コントロールを徹底することで営業黒字を確保した。
社内の広告運用のウォッチやレポーティングを自動化することで、一人当たりの受け持てる広告案件量が増加した。
販管費は877百万円(前年同期比2.8%増)、販管費率は前年同期の32.4%から25.9%へと大幅に低下した。
Web3関連投資が317百万円の評価損を計上し親会社の所有者に帰属する四半期損失は60百万円となるも、資産額は652百万円と出資額323百万円に対して2倍に増加した。
同社は短期的な目線ではなく、国内外の動向を綿密に調査したうえで中長期的な投資を行っている。
出資額に対して着実に資産は増加しており、投資事業を行う子会社Nonagon Capitalを設立するなど、ボラティリティに対して攻めと安定の両立を図る事業展開をしていることから、大きな懸念はないものと弊社では見ている。
成長投資と販管費コントロールにより、2020年12月期第3四半期から8四半期連続営業黒字を達成した。
先行投資を除いた平準コストは削減傾向にあり、収益性は明確に向上していると弊社は考える。
2. 事業別の動向
(1) SNSマーケティング支援事業
SNSマーケティング支援事業の売上高は前年同期比6.7%増の958百万円となった。
このうち、SNS広告・SNS運用コンサルティングサービスの売上高は同13.2%増の726百万円、SNS分析ツールの売上高は同9.6%減の231百万円となり、セグメント全体では計画どおりの着地となった。
SNS広告・SNS運用コンサルティングでは企業のSNS活用などの旺盛な需要の取り込みに成功し、2ケタ増収を達成した。
顧客売上高規模別では、年間売上20百万円以上の顧客が大きく増加した。
課題解決セミナーの実施によりリードを獲得し、同社サービスと親和性が高い企業に対する営業及びサービス提供に成功した。
また、各種コンテンツ制作が年末商戦・期末予算獲得に寄与した。
ストック契約の増加や顧客単価を上昇させる各種取り組みも奏功した。
一方で、円安を主要因とした原材料高に起因する顧客の販促費抑制が散見されたことから、Fintech及び通信・エネルギー分野など景況感に左右されない業種の比率を高めていく。
顧客ポートフォリオの拡充施策については、課題解決セミナーに参加する顧客は既に悩みや課題を抱えている企業が多く高い営業効率と成約率が期待できることから、引き続き課題解決セミナーの実施により獲得を目指す。
SNS分析ツールは、計画どおりの減収着地となった。
同事業は、市場成長率が低く競争が鈍い分野における高シェア事業に位置付けており、セグメント売上高と販管費のバランスを勘案しながら今後も継続していくとしている。
また、2022年7月にはビジュアル探索ツール「Pinterest」の広告運用代行サービスを開始した。
Instagram、TikTokに続くさらなる媒体拡大であり、同社が保有するソーシャルビッグデータとデータ分析力を生かした質の高いサービスが期待される。
「Pinterest」の月間アクティブユーザー数は4億人を突破しており、Z 世代・男性・ミレニアル世代が成長を牽引している。
同社にはPinterestアカウントをグロースさせた運用経験者も複数在籍しており、これらの知見を生かした以下のサービスを提供する。
1) Pinterestアド運用代行
Pinterestアドの専門チームが広告運用の初期設計や運用改善、レポーティングを代行する。
2) Pinterestに最適化した広告クリエイティブデザイン
SNS向けのクリエイティブに精通している同社のデザイナーチームが、クリエイティブデザインを代行する。
3) Pinterest活用支援コンサルティング
Pinterestアカウントをグロースさせた経験のあるアカウント運用担当チームが、Pinterest公式アカウント運用において重要なポイントをカリキュラムとして提供する。
Pinterestユーザーは、非ユーザーに比べて世帯年収600万円以上の層が1.2倍、SNSで製品を検索・購入する人の割合が2.8倍と、「購買力の高いユーザーが多い」という特徴がある。
そのため、有形ブランドや高価格帯商品の販促に有効であり、インテリア・アパレル・観光・食品・美容商材などの商材との親和性が高いと同社では考えている。
そのため、高価格商材の購買意欲が高いユーザーにリーチしたい企業や、既存媒体でのCPA高騰に悩んでいる企業対して高い訴求力を発揮することが期待される。
SNSマーケティング支援事業全体としては、大手との実績も増えており直近では以下のような実績を持つ。
・ ジンズホールディングス (TYO:3046)
Twitterを活用し、口コミ数約4倍及び指名検索数1.7倍と、ブランド力向上に貢献。
・ トリドールホールディングス (TYO:3397)
(丸亀製麺)Twitterを活用し、集客支援。
再売り出しメニューの初速販売数1.9倍に貢献。
(コナズ珈琲)Instagramを活用し、フォロワー数を2倍に。
・ (株)シャトレーゼ
Twitterを活用し、Twitterフォロワー35万人超を獲得し、店舗売上の増加に貢献。
・ ミルボン (TYO:4919)
TwitterとInstagramを活用し口コミ数を6倍に。
インスタライブ配信を支援し、45万視聴の反響。
・ ジョンソンヴィル・ジャパン(合)
TwitterとInstagramを活用して口コミ数を9倍にし、口コミ数に比例し売上の増加に貢献。
そのほか、乳製品、ビール、自動車メーカーなど多数の実績があり、大手との取引実績の積み上がりを通じて同社の業界内での信用度はさらに高まるものと弊社では考える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 欠田耀介)