[シドニー 9日 ロイター] - オーストラリアの個人情報保護当局は、米フェイスブック (O:FB)が30万人以上のユーザーの個人情報を本人の了解を得ることなく英政治コンサルティング会社ケンブリッジ・アナリティカと共有したとして、フェイスブックを連邦裁判所に提訴した。
豪情報委員会は、フェイスブックが同社のウェブサイトに掲載した調査アプリを通じて31万1127人分のユーザー情報を政治的なプロファイリングのためにケンブリッジ・アナリティカに開示したことがプライバシー法に抵触すると主張している。
同委員会のフォーク委員は「フェイスブックの設計では、ユーザーは自身の個人情報が開示される方法について、適切な選択をすることも、コントロールすることもできなかった」と指摘した。
同委員会は損害賠償請求額を明示していないが、プライバシー法違反1件の罰金は最大で170万豪ドル(110万米ドル)で、31万1127件のすべてについて最高額の罰金が適用された場合、総額は5290億豪ドルに上るとしている。
フェイスブックの豪部門のコメントはまだ得られていない。
フェイスブックは昨年7月、個人情報保護の不備を巡り米連邦取引委員会(FTC)に50億ドルの制裁金を支払うことやユーザーデータの保護を強化することで合意した。
すべてのケースを合計すると、ケンブリッジ・アナリティカはフェイスブックから8700万人に上るユーザーの個人情報を不正に取得したとされ、フェイスブックはユーザー情報の管理が不適切だったとして批判された。