[ワシントン 6日 ロイター] - 米民主党のイルハン・オマル下院議員は6日、大統領選の選挙人投票集計を行う連邦議会の建物内にトランプ大統領の支持者が侵入したことを受け、トランプ氏の弾劾条項を策定していると明らかにした。
約2週間後にはバイデン次期大統領の就任が予定されているが、オマル議員はツイッターへの投稿で「トランプ氏が大統領職にとどまることを容認するわけにはいかない」と述べた。
民主党下院議員で、トランプ氏が標的にすることの多いリベラル派の派閥に所属するアレクサンドリア・オカシオ・コルテス氏も、オマル氏に同調し、「弾劾」と一言だけツイートした。
この日、議事堂周辺に集まったトランプ氏の支持者らの一部が、警備を破り建物内に侵入。これを受けて議事堂は閉鎖され、上下両院合同本会議の討議も中断された。
ソーシャルメディアでは民主党議員やコメンテーターに加え、共和党議員の一部の間でもトランプ氏の弾劾を求める声が一気に広がった。
共和党のフィル・スコット・バーモント州知事は、ツイッターへの投稿で「民主主義の構造と共和国の原則が大統領の攻撃を受けている。もう十分だ。トランプ大統領は辞任するか、閣僚や議会によって罷免されるべきだ」と述べた。
民主党のデービッド・シシリーニ下院議員は、議会が7日にトランプ氏を「弾劾し、有罪判決を下すべきだ」と訴えた。
全米黒人地位向上協会(NAACP)のレオン・ラッセル会長はツイッターで「クーデターの扇動は弾劾を正当化する根拠となるべきだ」と指摘した。
今回の騒動を巡っては、大統領の職務遂行が不可能になった場合に副大統領に権限を委譲する憲法修正第25条の適用を求める声も広がっている。
議会関係者によると、民主党は暴動を扇動したとする1条項を盛り込んだ弾劾法案を速やかに提出し、採決を実施する可能性があるが、法案は共和党主導の上院で阻止される見込みという。