[7日 ロイター] - 米交流サイト大手・フェイスブックと同社傘下の写真共有アプリ、インスタグラムは、次期政権への移行が完了するまで向こう2週間にわたりトランプ大統領のアカウントを引き続き凍結する。ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が7日明らかにした。無期限で凍結する可能性もあるとしている。
アマゾン傘下の動画配信サービス「ツイッチ」と写真・動画共有アプリ「スナップチャット」を展開する米スナップも、同様の措置を取った。
トランプ大統領の支持者が6日に連邦議会議事堂に乱入したことを受け、フェイスブックは同日、トランプ氏のアカウントを24時間凍結。ツイッターも一時的に凍結した。
トランプ氏のフェイスブックのフォロワーは3500万人。ザッカーバーグCEOはフェイスブックへの投稿で「過去24時間の衝撃的なイベントは、トランプ氏が残る任期中にバイデン次期大統領への平和的・合法的な政権移行を阻害する意向だと明確に示している」と批判。
「トランプ氏がソーシャルメディアを議事堂での支持者の行動を非難するのではなく、むしろ容認するために利用したことは、米国だけでなく世界中の人々を当惑させた」とし、「この時期にトランプ大統領にフェイスブックのサービス利用継続を認めるリスクが過度に大きいと判断した」と述べた。
また、ロイターが入手した録音によると、ザッカーバーグ氏は7日の社内会議で、トランプ氏は政治指導者として国を最優先に考えるべきなのにもかかわらず「選挙結果を覆すには暴力に訴えるべきと考えている人々を扇動してきた」と強調した。
ホワイトハウスのディア報道官は米国にとって重要な時に「ビッグテック」(大手テクノロジー企業)は大統領を検閲したとし、「ビッグテックは制御不能だ」と続けた。
ツイッターは8800万人のフォロワーを持つトランプ氏のアカウントの一時凍結について、同氏がツイート3件を削除してから12時間後に解除するとしていた。同社の広報担当は問題のツイートが削除されたと確認した。
広報担当者は「リアルタイムで情勢を注視している」とし、一段の措置を取る必要があると判断した際は発表すると述べた。
ツイッチは「異例の状況と大統領の扇動的な発言」を理由にトランプ氏のアカウントを停止したと発表。広報担当者は、大統領退任後に同氏のアカウントの扱いについて再検討するとした。
カナダの電子商取引ショッピファイもトランプ氏に関連する出店業者へのサービス提供を停止したと発表。トランプ氏の選対陣営とファミリー企業であるトランプ・オーガニゼーションの電子商取引サイトがオフラインとなった。
米アルファベットの子会社・グーグル傘下の動画投稿サイト「ユーチューブ」は、選挙結果に関する虚偽の主張を含む動画を投稿しているチャンネルは一時的に投稿や生配信を制限すると表明。
フェイスブックと同様にトランプ氏のアカウントを凍結するかにつてはコメントしていない。
上院情報特別委員会の次期委員長、マーク・ワーナー議員(民主党)は声明で、ソーシャルメディア企業がトランプ氏の虚偽の主張に対策を取っているのは歓迎するとしながらも、十分ではないと指摘。
「これらのプラットフォームは過去数年にわたり、暴力的な極右グループと民兵運動を組織する際の中核的なインフラとなってきた」とし、ネット上のリクルートに使われているだけでなく、ユーチューブなどは「暴力的で過激なコンテンツから利益を上げる一助になっている」と批判した。
*内容を追加しました。